【専門家が詳しく解説!】特定技能「介護」とは?
日本では、各分野で人手不足の状態が続いています。特に、高齢者の人口が増加するにつれて、介護業界の人手不足はより深刻です。そこで、外国人の働き手を確保する目的で、特定技能「介護」が創設されました。内容を詳しくご説明します。
特定技能制度とは?
特定技能制度とは、人材の確保が難しい産業分野に、一定の専門性・技能を持った外国人を受け入れる制度です。2018年に「改正出入国管理法」で成立し、在留資格「特定技能」が新たに作られました。そして、翌年4月から人材不足に苦しむ業界は、外国人の雇い入れが可能になりました。
なお、在留資格「特定技能」には、知識や経験を持つ外国人が特定の産業分野に従事できるための「特定技能1号」、熟練した技能を持った外国人が特定産業分野に従事できるための「特定技能2号」の2種類があります。
特定技能「介護」とは?
外国人が介護職に就くことができる在留資格としては、「介護」、「EPA」、「技能実習」、特定技能「介護」の4つがあります。このうち、「介護」以外は、介護福祉士の資格を持たなくても、介護職に就くことができます。ここでは、特定技能「介護」には、どのような特徴があるのかをご説明します。
特定技能「介護」の仕事内容は、介護職と看護助手等です。在留期間は、通算で5年までで、1年、6ヶ月または4ヶ月ごとに更新手続きが必要です。雇用形態は直接雇用のみで、派遣は認められていません。
なお、特定技能には1号と2号がありますが、介護職は1号のみで2号はありません。従って、在留期間の5年を超えて、日本で働きたい場合には、介護福祉士の資格を取得し、在留資格「介護」を取得して、在留することになります。
業務範囲は、以下のとおり限定されています。
・身体介護等(介護を受ける人の状況に合わせて入浴、食事、排せつを補助等)
・身体介護等に関係して補助が必要な仕事(レクリエーションの実施、リハビリテーション
の補助等)
また、2025年4月から、以下の訪問系サービスもできるようになりました。
・訪問介護、訪問入浴介護、夜間対応型訪問介護、介護予防訪問入浴介護、定期巡回・随時
対応型訪問介護看護、訪問型サービス(総合事業)等
特定技能「介護」の取得要件
特定技能「介護」を取得するための要件は、次の4つです。
まず1つ目は「介護分野の特定技能1号評価試験」に合格することです。試験には、介護業務に関する「介護技能評価試験」と日本語力を測る「日本語試験」、「介護日本語評価試験」の3つがあります。
次に2つ目は、「介護分野の技能実習2号」から移行する方法です。そのためには、次の条件を満たす必要があります。
・技能実習2号を良好に修了するか、あるいは3号の実習計画を修了していること
・技能実習の職種・作業内容と特定技能1号の業務に関連性が認められること
次に3つ目は、「介護福祉士養成施設」を修了することです。「介護福祉士養成課程」を修了している場合、特定技能の試験を受験することなく、特定技能「介護」が取得できます。これは、「介護福祉士養成課程」で、介護分野に関する一定の専門性・技術、知識を持っていること、あるいは既に日本語能力を備えているとみなされるからです。
最後に4つ目は、「EPA介護福祉士候補者」として在留期間を満了するというものです。これは、「EPA介護福祉候補者」は、在留期間の4年間で、介護技術や日本語能力が十分に持備わっているとみなされるからです。
まとめ
特定技能「介護」を創設したことで、介護業界の人手不足解消が期待できます。なお、特定技能「介護」を取得するためには、要件が4つあることも注目すべき点です。





















