【専門家が解説!】国際結婚をした人のパスポートと国籍について教えます
日本でも国際結婚が増えてきています。日本同士の結婚とは違って、様々な手続きが必要です。その中でも、国際結婚をしたら、国籍はどうなるのだろう、パスポートそのまま持ていても良いのだろうか、という疑問が出てきます。この点について、詳しくご説明します。
国際結婚とは?
日本人が外国籍の人と、日本で結婚する場合に、どのような手続きが必要なのでしょうか?
まず、必要な書類には、婚姻届、戸籍謄本、パスポート、婚姻要件具備証明書があります。
婚姻届は、日本人同士の結婚と同様に、各市町村役場に置いてあります。夫婦となる二人の住所・氏名・生年月日、また証人となる2人の住所・氏名・生年月日を記入します。また、当事者、証人ともに捺印が必要です。
戸籍謄本は、婚姻届を提出する市区町村役場に本籍を置いていない場合に、本籍地の市区町村役場から取り寄せる必要があります。外国籍の方は、戸籍は有りませんから不要です。
外国籍の方が日本に在住する場合、その方の国籍を証明する必要があります。そのためには、パスポートを準備する必要があります。なお、日本国籍の方も、運転免許証、マイナンバーカード等の写真付き証明書を持っていない場合には、パスポートを準備しなければなりません。
婚姻要件具備証明書とは、外国籍の方本人が独身であること、自国の法律で結婚することに問題ないことを証明する書面です。この書面は、外国籍の方の出身国の在日大使館や領事館で発行してもらうことができます。
国籍はどうなるのか?
日本人と外国人が結婚したからと言って、どちらかの国籍が変わることはありません。基本的に今までの国籍のままです。
但し、日本人の女性が外国人男性と結婚した場合は、相手の国によって手続きの必要が出てきます。
例えば、外国人男性がフランス、タイ等の場合は、男性の国籍はそのままです。しかし、日本人女性は、このまま日本国籍で良いという場合は、何も手続きをする必要がありません。但し、相手の男性の国籍を取得したいと思う場合には、「意思表示の手続き」を行う必要があります。なお、この手続きを行った場合、男性の国籍を取得できますが、同時に今までの日本国籍を失うことになります。
また、外国人男性がイラン、アフガニスタン、サウジアラビア、エチオピア等の場合、男性の国籍はそのままです。しかし、日本人女性は、結婚と同時に相手の国の国籍も所有することになります。つまり、いわゆる「二重国籍」の状態になるのです。但し、日本では「二重国籍」を認めていませんので、結婚後2年以内に、「国籍選択届」を提出し、女性はどちらかの国籍を選ばなければなりません。
パスポートはどうなるのか?
国際結婚しても、外国籍のままであれば、日本のパスポートを所持することはできません。しかし、結婚を機に日本国籍に変わった、あるいは帰化して日本国籍を取得した場合には、所定の手続きを経て、日本のパスポートを所持することができます。
まとめ
日本人男性と外国人女性が結婚する場合は、特に国籍に関する手続きは必要ありません。しかし、外国人男性と日本人女性が結婚する場合は、手続きを要する場合があります。また、国際結婚をしても、日本国籍を喪失しない限り、そのまま日本のパスポートを所持できます。