【疑問に答えます】軍人との国際結婚と国籍・戸籍
日本には、アメリカ軍の基地が多く点在しています。その結果、軍人と国際結婚する日本人も少なくありません。ここでは、軍人との結婚の手続きと、結婚後の国籍・戸籍についてご説明します。
婚姻手続きの前に
日本に在留するアメリカ軍人と日本人が結婚する場合には、非軍人と結婚する際の手続きとは異なります。
先ず、軍人側の手続きが必要です。それは、結婚するアメリカ軍人が、軍側に許可を得るというものですが、その前提として、基地内で催される「マリッジセミナー」へ参加しなければなりません。
参加するには、事前に「 Fleet & Family Support Center (FFSC) 」へ電話をして、予約を取ります。なお、参加の義務があるのは、軍人と結婚する日本人ですが、今後の結婚生活のために、軍人と一緒に参加する場合がほとんどです。この「マリッジセミナー」を受講すると、最後に「参加証明書」が交付されます。
必要書類の提出
次に、アメリカ軍側の許可を得る必要があります。以下の書類を基地内のリーガルオフィスに提出します。
・Authorization to Marry(マリッジセミナー参加時に交付)
・マリッジセミナーの「参加証明書」
・2人の国籍を証明するもの(パスポートまたは出生証明書)
・2人の健康診断書(6か月以内に発行されたもの)
・Statement acknowledging possible ineligibility for nonquota immigration visa
(マリッジセミナー参加時に交付)
・婚姻の解消を証明する離婚証明書または死亡証明書(過去に前婚歴がある場合)
・戸籍謄本とその英訳(日本国籍を持つ場合)
・両親または後見人の同意書(未成年の場合)
以上の書類に不備がなければ、リーガルオフィスから「Affidavit of Competency to Marry(婚姻要件具備証明書)」が交付されます。
日本の役所での手続きと国籍
その後、住所地か本籍地の市区町村役場に、次の書類を提出します。なお、英語で書かれている書類には、日本語訳の書類を添付する必要があります。
・婚姻届(全て日本語で記入、不明な点があれば事前に役所で確認)
・2人の本人確認書類(国籍を証明できるもの)
・「Affidavit of Competency to Marry(婚姻要件具備証明書)」
・戸籍謄本(日本国籍を持つ方のみ、ただし本籍地で入籍する場合は不要)
・婚姻の解消を証明する離婚証明書または死亡証明書(過去に前婚歴がある場合)
・両親または後見人の同意書(未成年の場合)
なお、日本人がアメリカ軍人と結婚したからと言って、国籍が変わる訳ではありません。また逆に、アメリカ軍人も日本人と結婚しても国籍はそのままです。
但し、日本人が外国人と結婚した場合であっても、外国人の戸籍は作られませんが、配偶者である日本人の戸籍には、配偶者である外国人(氏名、生年月日、国籍)と婚姻した事実が記載されます。
また、外国人と結婚しても戸籍上の日本人の氏は変わりません。しかし、外国人配偶者の氏に変更したい場合は、結婚した日から6か月以内に、「氏の変更の届出」をする必要があります。
まとめ
通常の国際結婚とは異なり、軍人との結婚には、先ず軍側の許可が必要です。その後は、一般的な国際結婚と同じく、住所地または本籍地の役所の必要書類を提出します。また、国際結婚によってお互いの国籍は変わりませんが、日本人の戸籍には、国際結婚した旨が記載されます。