【専門家が詳しく教えます】英語しか話せなくても配偶者ビザは取得できるのか?
日本でも国際結婚が増え、それとともに「配偶者ビザ」を取得する外国人が増加しています。例えば、日本語がほとんど話せず、英語しかできない外国人が日本人と結婚した場合、「配偶者ビザ」は取得できるのでしょうか?
配偶者ビザとは?
「配偶者ビザ」とは、日本に在留する外国人が、日本国籍を持つ人と結婚した後に取得できる在留資格のことです。なお、配偶者ビザの正式な名称は、「在留資格」の中の「日本人の配偶者等」と言います。
この在留資格では、日本国籍を持つ人と結婚する人(日本人の配偶者)以外に、日本国籍を持つ人の特別養子になった人や日本国籍を持つ人から生まれた人も取得することができます。
ここの説明では、日本に在留する外国人が、日本国籍を持つ人と結婚した場合に取得する在留資格を取り上げますので、一般的な名称である「配偶者ビザ」とします。
英語しか話せない場合には
日本に在留する外国人が日本人と結婚する場合、既に他の在留資格を持って生活している場合がほとんどです。従って、日本人の配偶者となる人は、日常生活に困らない程度に日本語が話せることが想定されます。
しかし、英語が堪能な日本人と結婚した場合、配偶者である外国人には、日本語を話せる能力はあまり必要ありません。極端な言い方をすれば、国籍が外国籍のままである以上、日本人と結婚し、日本に住むからと言って、「日本語を話せないのはおかしい」という考え方にはならないはずです。
日本語力はどこまで必要か?
先程の説明のとおり、配偶者ビザを取得しようとする外国人が、英語しか話せないからと言って、ビザの取得に不利に働くことは、「理論的には」ないはずです。今後、日本人の配偶者とコミュニケーションが英語で取れるわけですから、夫婦が生活していく上で、支障はないはずです。
しかし、配偶者ビザを申請し、実際に審査が行われる場合には、「言語」というものが重要視されます。
申請の際に提出する「質問書」には、以下のような項目があります。
・夫婦は、普段何語で会話をしているか。
・お互いの母国語を話せるか。
・外国人配偶者は、日本語を話せるか。
・外国人配偶者は、日本語をいつ、どこで習得したのか。
・夫婦でコミュニケーションが取れない場合、どのような手段で意思疎通を図るのか。
質問書以外にも、外国人配偶者の日本語能力を証明するような書類の提出も求められます。
なぜこのように、外国人配偶者の日本語力や夫婦間のコミュニケーションを重要視するかと言えば、「この結婚は真正か」、つまり「偽装結婚に該当しないか」を見るためです。
今後日本で、日本人と外国人が夫婦生活を送るわけですから、夫婦間のコミュニケーションを重視するとともに、外国人配偶者が日本できちんと生活できるかを確認するためです。
まとめ
英語しか話せない、日本語がほとんどできない外国人は、日本人と結婚することは可能です。英語で、夫婦間のコミュニケーションを取ればいいわけです。しかし、その外国人が「配偶者ビザ」を取得することは、難しいと言わざるを得ません。