日本人と結婚した外国人が日本国籍を取得したい場合のポイントについて
国際結婚が身近になったことで、外国人と日本人(日本国籍を有する人)が結婚するケースも少なくありません。
外国人が日本人と結婚した場合、その外国人は自動的に日本国籍を取得するのだろう、と思われるかもしれません。
しかし、日本の法制度においては、外国人が日本人と結婚したとしても、自動的に日本国籍を取得できるわけではないのです。
つまり、「結婚=国籍取得」と考えてしまうのは誤解であり、あくまで結婚は帰化申請の前提条件の一部に過ぎません。国籍取得には、法務局での申請や審査など、一定の手続きが必須となります。
そこで今回は、日本人と結婚した外国人が日本国籍を取得したい場合のポイントを解説します。
日本人と結婚しても自動的に日本国籍を取得するわけではない
外国人が日本人と結婚したとしても、結婚によって自動的に日本国籍を取得できるわけではありません。
法制度によっては、その国の人と結婚すればその国の国籍を取得できる場合がありますが、日本ではそのような法制度は採用されていないからです。
日本国籍を取得するには帰化が必要
日本人と結婚している場合でも、外国人が日本国籍を取得するには、帰化の手続きが必要です。
帰化とは、その国の国籍を有しない外国人が、その国の国籍を取得することです。
外国人が日本で帰化して日本国籍を取得する場合、国籍法が定める様々な要件を満たさなければなりません。
日本人と結婚している外国人であっても、国籍法が規定する要件を満たさなければ帰化することはできないのです。
なお、帰化申請では身元保証人を日本人から選定する必要があり、通常は配偶者や親族がその役割を担います。また、安定した収入や納税状況など、生活基盤の健全さも審査の対象となります。
日本人と結婚した場合は住所要件が緩和される
日本人と結婚した外国人については、帰化に必要な要件のうち、住所要件が緩和されます。
外国人が日本に帰化するための様々な要件は国籍法第5条第1項に規定されていますが、このうち住所に関する要件を、一般に住所要件といいます。
帰化に必要な住所要件は、通常は以下の通りです。
・引き続き5年以上日本に住所を有すること
この住所要件は、申請者の「日本社会への定着度」を確認するために設けられています。仕事の有無や家族関係、地域での生活状況も審査の一部として重視されるため、単に滞在年数だけで判断されるわけではありません。
しかし、日本人と結婚している外国人については、住所要件が通常よりも緩和されて、以下のいずれかを満たせば認められます(国籍法第7条)。
・引き続き3年以上日本に住所または居所を有し、かつ、現在において日本に住所を有すること
・結婚した日から3年以上経過しており、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有すること
日本人と結婚するだけでは日本国籍を取得することはできませんが、日本人と結婚した場合には、帰化の要件が一部緩和されるということです。























