【今後も増えてくるのか?】中国の卓球選手が日本に帰化!

オリンピック等の国際大会を見ていると、生まれた国と異なった国籍を取得し、その国の代表として競技を行っている場面を目にします。スポーツの世界では、他の分野に比べて「国際化」が進んでいる証拠です。日本でも、日本に帰化したスポーツ選手が数多くいますが、この点を詳しくご説明します。

帰化とは?

帰化とは、外国籍の人が日本国籍を取得することです。日本では、有する国籍は一つだけであり、二重国籍は認められていません。従って、日本国籍を取得すれば、今までの外国籍を失うことになります。

スポーツ選手が帰化をする手順

先ず、外国籍のスポーツ選手が、日本に来て日本で活動するためには、一般的に「興行ビザ」を取得する必要があります。

「興行ビザ」は、外国籍の人が、演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に関する活動、その他の芸能活動を日本で行う場合、必要な在留資格です。例えば、俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手等が、それに該当します。在留期間は、申請者本人、日本で行う活動の内容等によって、3年、1年、6ヵ月、3ヵ月、30日と分かれています。

次に、「興行ビザ」を持つスポーツ選手が、日本国籍を取得するためには、帰化申請を行います。なお、2022年の「帰化許可基準」の見直しにより、「3年」以上の在留期間が必要となりました。従って、「興行ビザ」を取得しているスポーツ選手の場合、最長の在留期間(3年)でなければなりません。

中国籍の卓球選手が帰化する経緯

中国籍の卓球選手が帰化するケースとして、張本智和さんを例にとって説明します。

張本智和さんは、仙台市の出身です。彼自身は、生まれも育ちも仙台市ですが、両親はともに、中国のプロの卓球選手でした。しかし、父親は「海外で経験を積んで、中国に戻り、指導者になりたい」という希望を持っていました。そのような時に、仙台のチームで指導していた小山ちれさん(元中国の卓球選手)から声がかかり、仙台に来ることになりました。

その後、仙台で張本智和さんが生まれ、両親は日本に永住することを決めたのです。そして、張本智和さんが10歳の時に、家族がそろって日本国籍を取得することを選択したのです。

なぜ10歳かと言うと、全日本選手権へ出場するためは、日本国籍が必要だったからです。また、未成年が帰化するためには、両親も帰化する必要があるため、家族そろって帰化したということです。

また背景には、中国の卓球人口は他国に比べて桁違いに多く、代表選手に選出されることは至難の業であることも考えられます。つまり、他の国の国籍を取得して、その国の代表に選ばれる方法が、比較的容易だと判断したのではないかと思います。

まとめ

外国籍を取得するスポーツ選手が増えている背景には、スポーツ人口の偏りが挙げられます。例で述べた張本智和さんの場合は、日本に比べて中国の卓球人口が遙かに多かったため、日本の国籍を取得し、国の代表となることを選択したと考えられます。


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