【基本から教えます】日本で帰化するには?
外国籍の方が日本国籍を取得することを、「帰化」と言います。日本では、いわゆる「二重国籍」が認められていませんから、帰化は今の国籍を捨てて日本国籍を得る手続きです。今回は、帰化の基本と注意すべき点をご説明します。
帰化のための手続き
帰化のための手続きは、次のような流れになります。
まず始めに、申請する人が住んでいる住所を管轄する法務局や地方法務局に行って、必要な書類を確認します。なお、訪問の前に、電話等での予約が必要です。法務局によっては、1、2ヶ月先まで予約が埋まっている場合もありますので、早めに予約した方が良いでしょう。
法務局では、申請者が来日した経緯、現在の在留資格、家族構成、犯罪歴の有無等が確認されます。それにより、帰化の要件を満たしていると判断された場合には、申請に必要な書類が伝えられます。
必要書類を準備できたら、申請書と必要書類を持って、法務局に行き、法務局の担当者に確認してもらいます。特に問題がなければ、申請書・書類が受理されます。受理から2、3ヶ月後に、法務局で書類に記載した疑問点、過去・現在の状況等について、質問されます。また、申請者に配偶者等の家族等がいれば、その方々にも面接があります。
この面接と並行して、法務局から申請者の会社等に、在籍確認の電話が入ることがあります。また、実際に自宅等を訪問する場合もあります。
その後、帰化の条件を満たしていると判断された場合、申請書等が法務省に送られ、最終的に法務大臣が、許可または不許可の決定をします。許可の場合は、官報に名前が掲載され、法務局から電話連絡があります。また不許可の場合は、「不許可通知」が自宅に届きます。
帰化で必要な書類
帰化を申請するには、以下の書類などが必要です。なお、申請者によっては、それ以外に書類が必要な場合があります。
・帰化許可申請書(申請者の写真が必要)
・親族の概要を記載した書類
・帰化の動機書
・履歴書
・生計の概要を記載した書類
・事業の概要を記載した書類
・住民票の写し
・国籍を証明する書類
・親族関係を証明する書類
・納税を証明する書類
・収入を証明する書類
・在留歴を証する書類
帰化申請で注意すべきこと
帰化申請を行い、許可される要件については、インターネットで情報が掲載されていますから、既にご存じの方が多いと思います。ここでは、特に「居住(住所)要件」について、ご説明します。
この要件は、申請者が申請まで「引き続き5年以上日本に住所を有する」というものです。なお、「引き続き」ですから、たとえ5年以上日本に住所を置いていても、その間に頻繁に本国へ帰国しているような場合は、要件を満たさない可能性が出てきます。
また、5年以上日本に居住している期間に、少なくとも3年以上働いていなければ、許可される可能性は低くなります。但し、申請者が4年間しか日本に住んでいなくても、日本人と結婚して3年以上経っており、なおかつ1年以上日本に住んでいれば、帰化を申請することができます。
このように、個々の事情によって、「居住要件」は緩和されることもありますので、法務局の担当者や帰化申請に詳しい行政書士に相談されることをお勧めします。
まとめ
繰り返しになりますが、帰化は今までの国籍を捨てて、新たに日本国籍を取得する制度ですから、その要件は厳格です。但し、住所要件については、やや緩和される場合もありますので、法務局や行政書士に相談してみましょう。