【意外と知られていないことを説明!】アメリカ在住と日本国籍

最近では、仕事や結婚で海外に住む日本人が多くなりました。ここでは、アメリカ在住の日本人を例にとって、国籍の考え方をご説明いたします。

国籍とは?

普段私たちは、何気なく「国籍」という言葉を使っていますが、それでは「国籍」とは何のことでしょうか?

「国籍」とは、簡単に言うと「人が特定の国の構成員であるための資格」のことを言います。ここで言う「構成員」とは、組織・団体等を作っている(構成している)人のことです。

国が成立するためには、国の領土(国土)と国民が存在しなくてはなりません。つまり、国民がいなければ、その国家そのものが成立しないということです。ですから、どの国にも「国籍」という考え方はあります。また、全ての国が、その国の基準によって「国籍」のルールを定めています。

但し、それぞれの国で、歴史、伝統、政治・経済等が異なりますので、当然ながら「国籍」の定義や決めた方は異なります。つまり、ぞれぞれの国が、自らの判断や基準によって、「国籍」を規定しているということになります。

アメリカの法律

日本国籍を持つ方が、アメリカに在住していても、一定の手続きを取らない限り、日本国籍のままです。しかし、夫婦の間に子どもが生まれた場合、事情が変わってきます。

アメリカでは、親の国籍がどこであろうと、アメリカ国内で生まれた子どもは、全てアメリカの国籍を取得できるというルールになっています。このルールは、専門用語で「生地主義」と呼ばれています。

日本の法律

一方日本では、父母のどちらかが日本国籍を持っている場合、生まれてきた子どもは、全て日本国籍を取得することができます。この場合、生まれた場所、国は関係ありません。このルールは、専門用語で「血統主義」と呼ばれています。

アメリカでの「生地主義」、日本での「血統主義」のルールによって、もしアメリカ在住の日本人の親から子どもが生まれれば、その子どもは日本国籍とアメリカ国籍の2つを持つことができます。

日本では「二重国籍」を認めていませんが、アメリカで生まれて3ヶ月以内に、アメリカの日本大使館・領事館で「国籍留保届」の手続きを取れば、日本とアメリカの国籍を持つことができます。この届出をしないと、日本国籍が取得できず、アメリカ国籍だけになります。

「国籍の保留」は、二重国籍の子どもが、日本に帰国した後に、日本人として生活ができるために、日本国籍を留保するためのものです。但し、その子どもが実際に日本で生活する際には、どちらか一つの国籍を選ばなければなりません。

まとめ

日本国籍の方が、アメリカに在住しても、国籍はそのままです。しかし、日本人の親がアメリカ在住の期間に、子どもを産んだ場合、その子どもはアメリカ国籍を取得できます。


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