【帰化申請前に確認しよう!】帰化した後で元の国籍に戻れるのか?

外国籍の人が、日本国籍を取得することを「帰化」と言います。帰化した人が、また元の国籍を取得したり、あるいは元の国籍を取得した後に、再び帰化したりすることはできるのでしょうか?詳しくご説明します。

帰化とは?

帰化とは、日本での在留資格を持つ外国籍の人が、日本の国籍を取得することです。そのためには、必要書類を法務局・地方法務局へ提出し、申請しなければなりません。なお、日本では、いわゆる「二重国籍」を認めていませんので、帰化申請を行い、日本国籍の取得が認められれば、それまでの外国籍を喪失します。

帰化した後に元の国籍に戻れるのか?

外国籍の人が日本に帰化した(日本国籍を取得した)後に、元の国籍に戻ることはできるのでしょうか?

その答えは、「元の国籍によって、戻るか否かが決まる」ということになります。もし、元々持っていた国籍の法律で、国籍の復帰を認めているのであれば、戻ることはできます。逆に、元々持っていた国籍の法律で、国籍の復帰を認めていないのであれば、帰化した後に戻ることはできません。

例えば、中国の「国籍法第16条」には、「中華人民共和国の帰化、放棄、回復の申請は、中華人民共和国公安部が審査し、承認しなければならない。 承認されると、公安部が証明書を発行します。」とあります。つまり、中国では、元の国籍に戻る(中国籍に復帰する)場合、中国の公安部が管轄し、審査と承認を行うということです。

また、韓国でも、国籍復帰の手続きはあります。この場合、韓国大使館で「国籍回復による取得」という手続きを行うことになります。

このように、日本国籍を取得後の「国籍復帰」については、認めている国が少なくありません。自分の国は該当するのか否かについては、政府や大使館などに確認してみる必要があります。

元の国籍の戻った後に、再び帰化を申請できるのか?

それでは、「外国籍の人が日本に帰化した後に元の国籍に復帰した。しかし、もう一度日本国籍を取得したい」という場合は、どうでしょうか?

帰化申請は、要件を満たしているか否かを審査した上で、許可を出す制度です。過去に日本人であっても、申請時は既に外国籍の人ですから、通常の帰化申請とは外形上同じということになりますので、再度帰化する(日本国籍を取得する)ことは、制度上可能です。

但し、1回目の帰化申請時と2回目の帰化申請時とでは、状況が異なっていることも考えられます。従って、一度は帰化が認められたからと言って、許可のハードルは低くなるとは限りません。

まとめ

帰化した後に元の国籍に戻れるかどうかは、その国の法律が「国籍の復帰」を認めているか否かによって、決まります。また、元に国籍に戻った外国籍の人は、再度帰化申請することについて、日本では制度上認められています。