【人に教えたくなる!】帰化が簡単な国はどこか?
帰化とは、外国籍の方が日本国籍を取得することです。「日本人になる」ことを意味しますから、手続きは複雑で、審査は厳密です。世界の国々の中には、国籍を比較的簡単に取得できる国もあります。
帰化とは?
帰化とは、日本に在留する資格(在留資格)を持つ外国籍の方が、手続きによって日本の国籍を取得することを言います。そのためには、申請書や必要書類を出入国在留管理局へ提出しなければなりません。
なお、日本では、「二重国籍」が認められていませんので、日本国籍を取得すれば、それまでの外国籍を失うことになります。
日本の帰化制度
日本の帰化制度は、世界の中でも厳しい方に入ります。
先ず、帰化が認められるためには、6つの要件をクリアしなければなりません。
・「住所要件」・・・申請の時点までに、継続して日本に住所を置いている。
・「能力要件」・・・申請者が18歳以上であり、かつ現在持っている国籍の法律でも、成年である。
・「素行要件」・・・税金の滞納がない、刑事罰を受けていない、重大な交通違反を犯していない等、素行に問題がない。
・「生活要件」・・・申請者自身、または生計を同じくする親族等の資産・技能によって、今後日本で生活できる。
・「重国籍防止要件」・・・申請者が現在国籍を持っていない、あるいは日本国籍を取得することで、現在の国籍を失うということに同意している。
・「憲法遵守条件」・・・日本国憲法、あるいは同憲法の下で成立した政府に対して、暴力で破壊することを企てたり、主張したりする等しない。
また、帰化申請では、多くの種類の証明書・書類を提出しなければなりません。申請者によって異なりますが、合計で100枚以上にもなります。
書類の提出後に、申請者に対して、法務局の担当者から面接も行われます。主に、申請者の親族のこと、今後の日本での生活・仕事のこと、なぜ日本国籍を取得したいのか等が質問されます。
つまり、提出している申請書や書類の内容に関する事項を聞かれることになります。ですから、矛盾した回答をすることは、絶対避けなければなりません。
また、提出書類に不備、不足があれば、修正や再提出が必要です。このような審査期間を経て、最終的に結論が出されるのが、約1年後ということになります。
このように、他の在留資格の審査に比べて、手間・時間がかかり、審査も厳しいために、帰化申請は難しいということです。
帰化が簡単な国は?
日本に比べて、帰化の手続きが簡単な国は幾つかあります。なお、外国では「帰化」という呼び方ではなく、「市民権」等となります。
先ず、メキシコです。現地に5年以上暮らせば、メキシコの「市民権」を申請できます。なお、メキシコ人の祖先、あるいは子どもや配偶者がいたり、文化的・社会的・学問的分野でメキシコに貢献したりすれば、2年に短縮されます。なお、申請の基準としては、スペイン語が話せること、メキシコの歴史や文化に理解があること、そして、メキシコの市民権を得た場合に他国の市民権を放棄することに同意していることです。
また、カナダで市民権を得るには、どれだけカナダに対する知識を持っているかが基準になります。具体的には、英語かフランス語を話すことができ、カナダの歴史、価値、組織、権利に関する試験に合格しなければなりません。
アイルランドの場合は、居住する年数がポイントになります。8年間のうち4年以上現地で暮らした後に、更に1年以上現地で生活すれば、市民権を得ることができます。
まとめ
日本では、外国籍の方が日本の国籍を取得する手続き、基準を厳しく設けています。しかし、外国、特に移民を多く受け入れてきた国では、「市民権」を得ることは、比較的簡単です。