2024-11-20

外国籍の人が日本国籍を取得するためには、帰化申請が必要です。ここで疑問となるのが、その人が、再び元の国籍を取得したり、あるいは元の国籍を取得した後に、再び日本国籍を取得したりすることはできるのでしょうか？詳しくご説明します。

国籍の変更

日本で在留資格を持つ外国籍の人が、国籍を変更する、つまり日本の国籍を取得するためには。帰化申請を行います。

この申請では、必要書類を法務局・地方法務局へ提出し、日本国籍取得の許可を得なければなりません。なお、日本では、「二重国籍」を認めていませんので、日本国籍の取得が認められた後、それまでの外国籍を喪失する手続きが必要です。

国籍変更後に元の国籍に戻れるのか？

外国籍の人が日本国籍を取得した後に、元の国籍に戻ることは可能でしょうか？

この問いに対する回答は、次のとおりです。「元の国籍の法律によって、戻ることができるかどうかが決定する。」

もし、元々持っていた国籍の法律によって、国籍を戻すことが認められていれば、国籍の回復が可能です。しかし、法律によって、国籍の復帰が認められていなければ、戻ることはできず、日本国籍のままです。

例えば、中国の「国籍法第16条」では、「中華人民共和国の帰化、放棄、回復の申請は、中華人民共和国公安部が審査し、承認しなければならない。 承認されると、公安部が証明書を発行します。」と規定されています。従って、中国では、他の国籍から中国籍に復帰する場合、中国の公安部が審査し、承認されれば中国籍に復帰できることになります。

同じく韓国でも、国籍復帰に関する制度があります。具体的には、韓国大使館において「国籍回復による取得」に関する手続きを行わなければなりません。

以上のように、日本国籍を取得した後で、元の国籍に復帰することを認めている国は、少なくありません。自分の国は国籍の復帰が認められているか否かについては、実際に本国の政府や在日大使館に、確認してみなければわかりません。

国籍変更の回数に制限はあるのか？

以上の点を踏まえて、「外国籍の方が日本国籍を取得」→「元の国籍に変更」→「日本国籍を取得」を繰り返すことに、回数の制限はあるのでしょうか？

日本国籍を取得する手続きである「帰化申請」は、帰化に関する要件を満たしているかどうかを審査し、許可を出す制度です。一度日本国籍を取得していても、帰化申請の際には、既に申請者は外国籍であり、一般的な帰化申請とは外形上同じですから、再度日本国籍を取得することは、理屈の上では可能です。

但し、最初の帰化申請時と2回目、3回目の帰化申請時とでは、申請者の状況等が変化していることも考えられます。従って、過去に帰化が認められても、2回目、3回目も認められるとは限りません。

従って、国籍を変更する回数に制限はありませんが、何度も認められる保証はないということです。

まとめ

日本国籍の取得後に、元の国籍に戻れるかどうかは、その国の法律において「国籍の復帰」が認められているかどうかによります。また、国籍の変更を何度も繰り返すことは、制度上可能ですが、過去に変更が認められたからと言って、何度も許可されるとは限りません。