【レアケースについて解説します】元日本人が帰化申請をする場合とは?
日本国籍を喪失し、外国籍を取得した元日本人が、ある事情で再び日本国籍の取得を希望したとします。このようなことは、可能でしょうか?また、どのような手続きが必要なのでしょうか?かなりのレアケースですが、ご説明します。
帰化申請とは?
外国籍の方が、日本国籍を取得する手続きを「帰化申請」と言います。
帰化申請とは、外国籍の方が日本国籍を取得する目的で、法務局(出入国在留管理局)に申請書、添付書類を提出し、最終的に法務大臣から、日本国籍の取得を認めてもらうものです。
帰化申請が認められると、それまでの外国籍を失い、日本人になります。従って、審査には、厳しい要件があります。例えば、申請者は、日本の法律において、成年(18歳)に達していなければなりません。現在国籍を持っている国の法律においても、成年でなければなりません。また、日本での在留期間中に、税金をきちん納めていたり、重大な刑罰を受けたことがなかったり等の要件です。
元日本人が帰化申請をする方法
先ず、元日本人が帰化申請するためには、日本での住所が必要になります。従って、日本に住民票がなければなりません。なお、住民票を取得するには、3ヶ月以上の中長期在留資格を取得した上で、日本に滞在する必要があります。
元日本人で親が日本国籍である場合には、日本人の実子ということで、「日本人の配偶者等」という在留資格を取得することができます。申請の際には、申請者が「子」と記載された親の「戸籍謄本」を添付します。もし両親ともに亡くなっている場合には、「除籍謄本」を代用します。
次に、日本での生活基盤が必要です。例えば、日本において生計が成り立つための職業に関する証明書や預金残高等を証明するものです。そして、身元保証人も必要です。一般的に親等の親族にお願いすることになります。
なお、海外から日本に入国する方法は、次の3つです。
・申請者の親・親族に、在留資格認定証明書(COE)を取得してもらう。
・短期滞在で入国し、COEを取得してビザ変更する。
・短期滞在で入国して、短期滞在から配偶者ビザへ変更する。
注意点
外国籍を取得した元日本人は、過去に日本人だからと言って、帰化申請の審査が緩和されるわけではありません。一般的な外国籍の方が帰化申請をする場合と同じく、申請書と添付書類が必要です。また、審査期間も、通常と同じく1年程度かかります。
また、通常の帰化申請と同様に、帰化の動機書、作文の提出、あるいは面接もあります。いくら元日本人だからと言って、特例を認められていません。
まとめ
外国籍を取得した元日本人が、再度日本国籍の取得を希望する場合、他の外国籍の方と同じく、帰化申請をする必要があります。また、元日本人だからと言って、審査が緩和されることはなく、通常の帰化申請の手続きどおりに進みます。