【目的を知っていますか?】帰化申請の際の訪問・電話調査について教えます!
帰化申請とは、今までの外国籍を失って、新たに日本国籍を取得するための手続きです。他の「在留資格」の申請は、主に提出した書類を確認した上で、許可するか否かを決定しますが、帰化申請の場合は、本人との面接、家庭や職場への訪問、電話調査が行われます。
このように、帰化申請は単なる書類審査にとどまらず、生活実態や社会的適応を多角的に確認する制度です。申請者が安定した生活を営み、日本社会の一員として信頼される人物であるかが、最終判断の鍵となります。
帰化申請とは?
帰化申請とは、日本に住む外国籍の人が日本国籍の取得を希望する場合に、法務局(出入国在留管理局)へ申請を行うことです。今まで持っていた外国籍を失い、日本国籍を取得する(日本人になる)手続きですから、幾つかの要件があります。
この要件には、引き続き5年以上の居住、20歳以上の成年であること、素行が善良であること、生活に困らない程度の資産や職業を有することなどが含まれます。これらは「国籍法」第5条に規定され、総合的に判断されます。
また、提出しなければならない書類も膨大で、審査期間も1年程度かかります。その審査期間では、提出した書類の確認はもちろん、申請者本人への面接、家庭や勤務先の訪問・電話での確認等があります。
審査期間中には、申請者の生活環境や日本語能力、税金・年金の納付状況も重視されます。これらの要素が整っていない場合、追加資料の提出や再面談を求められることもあります。
家庭への訪問調査と電話調査
帰化申請を行った後に、申請者本人と法務局の担当者との間で、面接が行われます。申請の際に提出した書類に関する事柄について、主に尋ねられます。
面接では、家族構成・職業・納税状況・日常生活など、生活基盤が安定しているかを中心に確認されます。特に日本語でのやりとりがどの程度可能かは、帰化後の社会生活を送る上での重要な指標とされています。
それと同時に、申請者本人の家庭調査と電話調査も行われます。この調査は、法務局の担当者が家庭を直接訪問したり、電話をかけて確認したりする方法で行われます。また、申請者の自宅近隣の住宅を訪ねて、申請者やその家族に関する話を聞くこともあります。
このような調査の目的は、申請者が提出した内容と実際の家庭の状況等が合致しているのかを確認するためです。従って、同居人として記載していた人が、実際には住んでいなかったり、近隣住民との間でトラブルが続いていたり、あるいは違法な生活、迷惑行為が目に余ったりした場合には、申請者本人にとって、マイナス評価になってしまいます。
逆に、地域との関係が良好で、長年安定した生活を送っていることが確認できれば、審査において好印象を与えます。法務局の調査は形式的なものではなく、実際の生活実態を丁寧に把握することを目的としています。
なお、「特別永住者(在日韓国人・朝鮮人)」が帰化申請した場合には、原則的に上記の家庭調査、電話調査はありません。ほとんどの「特別永住者」は、現在日本を本拠としており、日本人と同じような生活を送っているためです。また、そのような状況ですから、近隣住民に外国人(在日韓国人・朝鮮人)ということを伝えていないケースも少なくなく、調査によってそのことが明るみに出ることを嫌がるためでもあります。
但し、「特別永住者」であっても、提出した書類に不明な点や確認したい点等があれば、家庭調査や電話調査が行われる場合があります。
職場への訪問調査と電話調査
上記の家庭調査、電話調査と同時に、法務局の担当者が申請者の職場を訪問したり、電話をかけて調査したりする場合もあります。また、職場の責任者や上司への聞き取り調査が行われることもあります。
このような調査の目的は、先程の家庭調査・電話調査と同じく、提出した書類に記載された内容の確認です。特に、現在申請者が持っている「在留資格」と実際に携わっている業務内容が合致しているかが確認されます。
職場での勤続年数や勤務態度、給与支払い状況なども間接的に確認されることがあります。職場から見た信頼性が高いほど、帰化後の安定した生活を期待できると評価されやすくなります。
なお、「特別永住者」には就業制限がないため、家庭調査・電話調査と同じく、原則的に上記の職場調査、電話調査はありません。但し、「特別永住者」であっても、提出した書類に不明な点や確認したい点等があれば、職場調査や電話調査が行われる場合があります。
まとめ
帰化申請には、面接、家庭や職場への訪問、電話調査が行われます。家庭への調査は、提出した書類の内容に間違いがないかを確認するものです。また、職部への調査は、現在持っている「在留資格」と実際の業務内容が合致しているかを主に確認します。
これらの調査は、申請者の誠実性や社会適応力を確認する重要な工程です。形式的に進めるのではなく、日常生活の中で日本社会にどれだけ溶け込んでいるかを総合的に評価する制度である点を理解しておくことが大切です。























