詳しく知っておきたい!永住許可の手続きについて
多くの在留資格は一定期間のみ日本に滞在できますが、永住権は滞在できる期間に制限がありません。
永住権を取得するには、永住許可の手続きをする必要があります。
そこで今回は、永住許可の手続きについて解説します。
永住許可を検討する人の中には、「ビザ更新の手間をなくしたい」「家族と長く日本で生活したい」といった理由を持つ方が多くいます。
永住権を取得すれば、在留期間更新の必要がなくなるだけでなく、就労制限もなくなるため、より安定した生活を送ることができます。
永住許可とは
永住許可とは、日本に永住する権利(永住権)を取得するための申請手続きです。
多くの在留資格は一定期間のみ日本に滞在できますが、永住権は日本に滞在できる期限に制限がないのが特徴です。
また、永住権を取得しても日本国籍を取得するわけではないため、選挙権や被選挙権は得られません。
ただし、安定的に生活できることから住宅ローンや社会的信用を得やすくなるなどのメリットがあります。
永住権は強力な権利である反面、他の在留資格に比べると審査はより厳しくなります。
永住許可の条件
永住許可は申請すれば必ず取得できるわけではなく、規定の要件を満たす必要があります。
永住許可の主な条件は、以下の3つです。
素行が善良であること
永住許可を得る条件として、日本での素行に問題がないことが要求されます。
具体的には、窃盗や詐欺などの犯罪行為をしていないこと・交通違反がないこと・きちんと納税していることなどです。
軽微な交通違反があったとしても、継続的に納税し、地域社会で安定した生活を送っていれば問題視されない場合もあります。
重要なのは「日常的に法令を尊重している姿勢」を示すことです。
独立して自活できること
生活保護などの公的補助に頼らずに、日本で独立して生活できるだけの収入や資産があることが要求されます。
十分な収入・資産があるかは、本人だけでなく家族の収入・資産も考慮したうえで総合的に判断されます。
どのような場合に条件を満たすか、明確な基準はありませんが、一般に世帯年収が300万円以上あることが望ましいとされています。
国益に適合していること
その外国人が永住権を取得することが、日本の国益にかなうことが要求されます。
具体的には、一定の期間継続して日本に居住していること・生活の本拠が日本にあること(長く出国していないこと)・公衆衛生上問題がないこと(感染症に感染していないなど)などです。
永住許可の審査期間
永住許可の標準処理期間(申請してから審査の結果がでるまでにかかる期間)は4ヶ月とされています。
しかし、標準処理期間はあくまで目安であり、ケースによっては1年程度かかる場合もあるのです。
永住許可の審査期間が長くなる理由は、日本に永住することを認めるかについて、厳しく審査されるからです。
審査期間に関する注意点として、現在の在留資格の期限があります。
永住許可の審査をしている間に、現在の在留資格の期限が切れてしまいそうな場合は、永住許可の申請だけでなく、現在の在留資格の更新の手続きも必要です。
たとえば、現在の在留資格が高度専門職であり、在留資格の期限が3ヶ月しかないとしましょう。
永住許可の標準処理期間は4ヶ月なので、永住許可の申請をしている間に、現在の在留資格の期限が切れてしまいます。
そこで、永住許可の申請と平行して、現在の在留資格の延長の手続きもしなければなりません。
まとめ
永住許可の取得は、長期的な日本滞在を希望する外国人にとって大きなステップです。
時間も手間もかかりますが、きちんと条件を理解し、計画的に準備を進めることで、審査をスムーズに通過できる可能性が高まります。
永住を目指す場合は、書類の整備や生活実態の確認を早めに始めておくことが重要です。






















