【あらかじめ知っておこう!】取り消された永住権は再取得できるのか?
外国籍の方が日本に永住できる権利を「永住権」と言います。仮にこの永住権が取り消された場合、再取得することは可能なのでしょうか?詳しくご説明します。
永住権とは?
永住権とは、読んで字のごとく「外国人が日本に永住することができる権利」を言います。
外国籍の方が日本で働いていた場合で、10年以上日本に在留し、さらに5年以上在留資格を持っている等の要件を満たすことで、「永住許可」の申請を行うことが可能となります。この申請が認められれば、永住権を持つことができます。
永住権を持つと、就労系ビザにあった在留期間の制限はなくなります。また、職業に関する制約も、基本的になくなります。言い換えれば、ほぼ日本人と同じような生活を送ることができるのです。
永住権が取り消される場合とは?
永住権が取り消されるケースは、次の4つです。
1つ目は、不正によって上陸許可を受けた場合です。例えば、虚偽等によって上陸許可を受けたり、捏造・改竄等の方法で不実の事項を書類に記載し、上陸許可を受けたりしたような場合です。
2つ目は、住居地の届出を適切に行わなかった場合です。日本に在留する外国人は、引っ越し等で住居地が変わった場合には、その旨を届け出る義務があります。しかし、引っ越ししても、退去の日から90日以内に届出をしなかったり、虚偽の住居地を届出たりしたような場合が、取り消し事由に該当します。
3つ目は、再入国期間中に、日本に再入国しなかった場合です。永住権を持つ人は、一時的に日本を離れる際に、再入国許可(みなし再入国許可)を受けることができます。この許可を受けていれば、日本から出国する時点で持っている永住権が継続した状態で、日本を出国することができます。しかし、この再入国期間中に日本に再入国しなかった場合、永住権が取り消されることになります。
4つ目は、退去強制事由に該当する場合です。退去強制とは、犯罪行為等により、日本から強制的に出国させられることです。具体的には、次のような行為です。
・上陸許可を受けることなく、日本に入国した。
・不法就労をしたり、他人に不法就労をさせたりした。
・偽造在留カードを所持したり使用したりした。
・資格外就労活動を行っていた。
・在留期間が経過しているのに、日本に在留していた。
・売春やその周旋、勧誘、その場所の提供を含む売春に直接に関係がある業務に従事した。
・違法薬物を所持したり使用したりした。
再取得できるのか?
もし永住権が取り消された場合、再度取得することはできるのでしょうか?
結論から言えば、可能です。但し、再度永住権を取得するためには、当然ですが、永住許可の要件に該当しなければなりません。従って、冒頭でご説明したとおり、「10年以上日本に在留し、さらに5年以上在留資格を持っている等の要件」を満たさなければならないことになります。
つまり、先ずは就労系ビザを取得し、地道に実績を重ね、少なくとも永住許可の申請までに10年はかかるということです。ですから、永住権を取得したら、取り消し事由に該当する行為は、厳に慎まなければなりません。
まとめ
永住権が取り消されても、再度取得することは可能です。但しその場合、ゼロからのスタートになりますから、少なくとも10年はかかることになります。