【必ず知っておこう!】このような場合に永住権を失う
永住権は、外国籍を持つ人が日本に永住できる在留資格です。在留期間や就労できる職業にも制限がないため、取得したと考える外国人は少なくありません。しかし、せっかく取得した永住権を失う場合もあります。この点について、詳しくご説明します。
永住権とは
永住権とは、文字どおり「外国人が日本に永住できる在留資格」のことです。例を挙げて説明します。
外国籍を持つAさんが、就労系のビザを所持し、日本の会社に勤務しています。そのAさんが、日本人であるBさんと結婚した場合、現在の就労系のビザを「日本人の配偶者等」という在留資格に変更することができます。この在留資格を一般的に「永住権」と呼んで言います。
「永住権」を取得すると、在留期間の制限がなくなります。また、就労する職業についても基本的に制約がありません。従って、ほぼ日本人と変わらない生活を送ることができます。
このような場合に永住権を失う
永住権は、次のような場合に、失うことになります。
先ず1つ目は、再入国許可、またはみなし再入国許可を得ることなく、日本を出国した場合です。永住権を持っていても、日本を出国する場合に、出国前に許可を得ないと、日本に再入国できません。
2つ目は、再入国許可を得て出国したとしても、再入国の期限までに日本に再入国しなかった場合です。再入国許可には、1回限り有効のものと、有効期間内であれば何回も使用できる数次有効のものの2種類があります。有効期間は、現に有する在留期間の範囲内で、5年間(特別永住者の方は6年間)を最長として、個別に決められます。
3つ目は、みなし再入国によって日本を出国し、1年以内に再入国しなかった場合です。みなし再入国許可は、1年以内に再入国する場合の許可で、通常の再入国許可の取得が不要とされるものです。
4つ目は、不正に「上陸許可」や「永住許可」を受けたり、90日以内に新住所の届出をしなかったり、あるいは虚偽の住所を届出たりした場合です。
最後に5つ目は、退去強制された場合です。例えば、無期または1年を超える懲役もしくは禁固に処せられたり、薬物違反により有罪判決を受けたり、あるいは売春に直接関係がある業務に従事したりした場合です。
このような場合に永住許可が取り消される
入管法第22条の4第1項では、次の場合に、永住許可が取り消されるとしています。
・上陸拒否事由に該当しないものと偽り、上陸許可を受けたこと(第1号)
・1号のほか、偽りその他不正の手段により上陸許可等を受けたこと(第2号)
・1号・2号のほか、不実記載の文書の提出により上陸許可等を受けたこと(第3号)
・中長期在留者が転居した場合、90日以内に新住居地の届出をしないこと(第9号)
・中長期在留者が虚偽の住居地を届け出たこと(第10号)
まとめ
永住権を失う条件については、入管法等で規定されています。それらの条件について共通しているのは、規定をきちんと守っていないということです。永住権を取得する際はもちろんのこと、取得した後でも、永住権を持つ人が遵守すべき事項を常に念頭に置いて、生活していく必要があります。