【正しく答えられますか?】在留カードとビザの違いは?
外国人の在留に関してよく耳にするのが、「在留カード」と「ビザ」です。2つとも、外国人にとって必要不可欠なものですが、両者の定義、違いを的確に説明できる人は、多くありません。この点を詳しくご説明します。
在留カードとは?
在留カードとは、日本に中長期間(3ヶ月以上)在留する外国人へ交付されるカードを指します。外国人が申請する新規の上陸許可、在留資格の変更許可、在留期間の更新許可等を受けて、出入国在留管理局が許可した場合に交付するカードです。
在留カードは、それを所持する外国人の在留資格や在留期間が適法であることを証明する証明書の役割も持ちます。在留カードには、外国人の氏名、生年月日、性別、現在の国籍(地域)、日本の住居地、現在所有する在留資格・在留期間、就労の可否等の情報が記載されています。
なお、在留カードを所持する外国人には、以下の遵守義務があります。
① 常に在留カードを所持すること
② 在留カードの提示を警察から求められれば提示すること
③ 在留カードを人に貸したり、借りたりしないこと
④ 在留カードを勝手に作ったり、改変したりしないこと
⑤ 自国に帰って、日本に戻らない時には在留カードを返還すること
⑥ 在留カードを紛失した場合は、速やかに警察へ届け出て、14日以内に再交付の手続きを行うこと
⑦ 氏名が変わった場合は、14日以内に届け出ること。
⑧ 居住地が変わった場合は、14日以内に届け出ること
⑨ 有効期間後も継続して在留する場合は、更新の手続きを行うこと
ビザとは?
ビザとは、外国へ行く際に必要な「入国許可証」を指します。外国人を受け入れる国は、身元を事前に確認し、入国しても支障がないことを審査します。そして、問題がないと判断されれば、ビザを発行するのです。
そのビザを入国の際に所持していることで、入国が許可されるという仕組みです。なお、ビザの種類は、渡航先や渡航目的等で、幾つかに分類されています。また、具体的なビザの種類・名称は国ごとに異なります。
但し、日本では「ビザ」と言う場合、一般的に「在留資格」のことを指します。例えば、「就労ビザ」とは、外国人が日本で仕事をするための在留資格です。また、日本人の配偶者として日本に在留する場合は、「身分系ビザ」を持つことになります。
つまり、日本に中長期に滞在している外国人は、いずれかのビザを所持していることになるのです。このように、一般的には、「ビザ=在留資格」という使い方をされているのが、現状です。
しかし厳密には、ビザは査証の意味で「入国許可証」であり、日本に中長期的に滞在が許可される証の「在留資格」とは異なるものになります。
2つの違い
以上の説明のとおり、在留カードとビザは全く異なるものであることが分かります。
在留カードは、日本に中長期に在留が許可された外国人が所持するカードです。一方、ビザとは、厳密に言えば、外国人が日本に入国する際に必要な「入国許可証」です。日本への入国を希望する外国人の申請を受けて、その外国人の犯罪歴等を審査し、発行するものです。
しかし、現在日本では、「ビザ」を「日本に中長期に在留するための資格=在留資格」と言う、広い意味で使用しています。
まとめ
在留カードは、中長期に日本での在留が許可された外国人が持つカードのこと、ビザは、在留するため要件があることを示す資格のことです。但し、ビザとは厳密に言うと、入国許可証を指します。