【疑問に答えます!】高卒で就労ビザは取れるのか?
外国人が日本で働くためには、就労ビザが必要です。このビザを取得するための要件に、「大学や専門学校で習得した専門知識と仕事に関連性があること」があります。この要件だけを見れば、高卒の外国人は就労ビザを取れないことになりますが、実際にはどうなのでしょうか。
就労ビザとは?
日本に在留する外国人には、目的に応じて在留資格が与えられます。就労ビザとは、外国人が日本で働くことを目的とした在留資格のことです。一方で、外国人が日本人と結婚して、日本人の配偶者として生活する場合には、身分系の在留資格が必要です。
つまり、外国人が日本で「就労するための在留資格」を一般的に「就労ビザ」と呼ぶのです。この在留資格では、認められた職種以外の仕事に就くことはできません。
就労ビザの要件
就労ビザは、就労する職種によって、幾つかの在留資格に分類されています。そのうち、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(「技・人・国」)という在留資格の要件について、ご説明いたします。
この在留資格は、日本国内の企業に勤める外国人のうち、約9割が持っているものです。従って、就労系ビザで中でも最も代表的な在留資格だと言えます。
「技・人・国」を取得するには、次の6つの要件があります。
① 履修科目と職務内容の関連性
大学・専門学校等で履修した専門的な技術・知識と、就労する仕事に関連性があること。
② 本人の経歴
一定の学力を有していること。また、実務経験が基本的に10年以上あること。
③ 会社の経営状態
就労予定の会社が、安定的・継続的に外国人を受け入れる基盤があること。
④ 雇用の必要性・業務量
就労予定の会社に、外国人を働かせる必要性や十分な業務量があること。
⑤ 日本人と同等以上の報酬
就労予定の会社で働く日本人社員と、同等かそれ以上の報酬額が支払われること。
⑥ 本人の素行
外国人に、退去強制、逮捕歴、犯罪歴がないこと、また、留学生の場合、オーバーワークがない等、素行に問題がないこと。
高卒で就労ビザは取れるのか?
さて、今回の本題である「高卒でも就労ビザは取れるのか」ということです。
先程ご説明したように、「技・人・国」は、「大学・専門学校等で履修した専門的な技術・知識と、就労する仕事に関連性があること」が要件の1つになっています。つまり、この要件だけ見ると、高卒の場合、就労ビザの取得は難しいことになります。
しかし、たとえ高卒外国人であっても「3年以上または10年以上の実務経験」という要件を満たせば、就労ビザを取得できます。
ただし、勤務を希望する職種によっては、実務経験の必要年数が異なる場合がありますので、その点は注意する必要があります。また、実務経験を証明する書類を、過去に勤めていた会社から取り寄せなければなりませんので、もしそれができない場合は、申請そのものができないことになります。
まとめ
就労ビザを取得するには、大学・専門学校で専門知識を習得していることが1つの要件になっています。但し、高卒であっても一定の実務経験があれば、就労ビザの取得が認められる場合もあります。