知っておくことで得をする!?外国人が日本の永住権を取得するメリット
外国人が日本で長く働いていると「この先もずっと日本に住みたい」と考える方も多くいます。外国人がずっと日本に住み続けるためには、在留資格を「永住者」に変更しなければなりません。永住権を取得すると、他の在留資格とどのような違いがあるのでしょうか。今回は、永住権を取得するための要件や永住権のメリットについて解説します。
永住権を取得するための要件
・素行が善良であること
素行が善良というのは、法令違反がないということです。
例えば、入管法違反や交通違反など、日本国の法令に違反して,懲役,禁固または罰金に処せられたことがない状態です。
また、少年法による保護処分が係属中ではないことも含まれています。
・独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活で公共の負担にならず、将来も安定した生活を続けられるということです。
例えば、生活保護など、公的扶助を受けていないことが挙げられます。
・法務大臣がその永住が日本国にとって利益があると認めること
日本で長期の就労経験があり、日本国にとって利益があるということです。
出入国管理庁「永住権許可に関するガイドライン」によると、原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する、罰金刑や懲役刑などを受けていないこと、公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないことなどが列挙されています。
(参考:出入国管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)」
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyukan_nyukan50.html
外国人が日本の永住権を取得するメリット
・在留期限の制限がない
他の在留資格は、5年や3年などの在留資格の期限が設けられており、期間を超えて在留する場合は、更新手続きを行わなければなりません。
永住権を取得すると、滞在期間に制限がなくなり、在留資格の更新手続きが不要になります。ただし、7年ごとに在留カードの更新は必要です。
・就労の制限がなくなる
就労ビザでは、従事する職務の内容が細かく分けられています。そのため、在留資格取得に必要な要件も異なります。
しかし、永住権を取得すると就労場所を自由に選ぶことが可能です。
・社会的信用が向上する
外国人が日本で融資を受ける際、銀行によっては審査が通らないことがあります。在留資格の更新が必要な場合、出国する可能性もあるからです。
永住者の場合は、住宅ローンや事業ローンを組みやすく、不動産を購入することもできるので社会的信用が向上するでしょう。
まとめ
外国人が日本の永住権を取得した場合のメリットは、在留期限や就労の制限がなくなること、社会的信用が向上することが挙げられます。
したがって、外国人が日本の永住権を取得すると、日本人と変わらない待遇を得ることができるのです。
とはいえ、永住権を取得するための要件をクリアしなければならないため、出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドラインを確認しておきましょう。