日本で帰化許可申請する時の必要書類は?
日本で帰化許可申請する時の必要書類は、申請人ごとに異なります。申請書類一式以外に提出するものは個別確認が必要ですが、大体であれば予測できます。
本記事では、提出を求められる可能性が高い書類に絞って紹介しています。数が非常に多いため、手続き前にしっかり確認しましょう。
自分で作成する書類
帰化許可申請のための書類は、必須提出物と求めに応じて添付するもので構成されます。前者にあたる書類として、以下一式が挙げられます。
フォーマットが用意されているもの
帰化許可のための申請書類と言えば、法務省がフォーマットを用意する下記一式です。自分で1から書き起こす必要はないものの、内容のミスや不足には十分注意しましょう。
l 帰化許可申請書
l 帰化の動機書
l 履歴書
l 宣誓書
l 親族概要を記載した書面
l 生計概
要を記載した書面
l 事業概要を記載した書面
l 自宅や勤務先等の周辺を説明する略図(過去3年分)
自由形式で作成するもの
その他にも、身の回りの人に依頼して「嘆願書」または「上申書」を書いてもらう場合があります。書面の作り方は全く自由で、提出するかどうかも申請人しだいです。
▼嘆願書・上申書とは
帰化許可が必要な理由について、日本での暮らしぶりを客観的に細かく説明する役割を担っています。家族、知人、友人、上司や同僚等、申請人について最もよく知る人に依頼するのが普通です。
不許可になりそうな場合は、本書面で審査官に事情を伝えれば、判断を申請人にとって有利な方向に変えてもらえる可能性があります。
身元関係の証明書
申請書類一式に添えるものとして、第1に国内外から取り寄せる身元関係の証明書があります。日本の行政機関で取り寄せるものと本国で発行してもらうものに分け、一例を紹介します。
日本国の公的機関で取り寄せるもの
日本の市区町村役場で取り寄せるものとして、戸籍謄本や外国人登録にかかる証明書があります。手持ちの在留カードのコピーも忘れず添付しなければなりません。
l 手持ちの在留カードのコピー
l 戸籍謄本(全部事項証明書)
l 出生届の記載事項証明書(日本で生まれた場合)
l 外国人登録原票記載事項証明書
本国から取り寄せるもの
本国発行の書類は、大使館あるいは領事館で交付申請できます。書類の名称と内容は国ごとに異なるため、出身国に合わせて確認しなければなりません。
l 国籍証明書
l 家族関係証明書(本国に家族がいる場合)
l 出生証明書(本国で出生した場合)
l 両親の婚姻証明書
l 国籍離脱の領事証明
在留中の生活状況に関する書類
帰化許可申請の審査で最も意識されているのは、資産状況や生活歴です。以降紹介する証明書をきちんと揃え、不明瞭な点がないようにしなくてはなりません。
収入や貯蓄に関する証明資料
資産状況に関しては、貯蓄と定期的に得られる収入の両方について証明しなければなりません。収入証明は働き方によって内容が変わり、自分で事業を営む人の提出物はボリュームがあります。
▼共通の提出書類
l 預金残高証明書
l 投資資産に関する証明書(証券会社発行のもの等)
▼会社員やサラリーマンの場合
l 在勤証明書・在職証明書
l 給与明細(直近数ヶ月分の給与が分かるもの)
l 源泉徴収票
l 確定申告書
l 前年度の納税証明書
▼個人事業主やフリーランスの場合
l 事業の概要書
l 青色申告決定書
l 確定申告書の控え(過去3年分)
l 過去3年分の納税証明書(国税+地方税)
▼会社経営者の場合
l 事業の概要書
l 登記事項証明書
l 決算報告書のコピー
l 営業許可書等のコピー
l 源泉徴収簿+源泉徴収の納付書
l 確定申告書の控え(過去3年分)
税および社会保険料の納付状況に関する資料
納税や社会保険料納付の状況は、帰化許可申請でよく問題になるポイントです。税に過去一定期間(目安は3年間)に渡る下記の資料が必要です。
l 固定資産税納税証明書
l 自動車税納税証明書
l その他の納税証明書(国税・所得税)
l 年金保険料の領収書の写し
l 健康保険料の領収書の写し
出入国・居住・経歴に関する書類
帰化許可申請人の生活ぶりを事細かに証明する書類として、以下の書類も必要です。パスポートの写しに関しては、スタンプが多数ある影響で出入国履歴が分かりにくい場合、代わりに出入国在留管理庁に開示請求して得られた書類を提出します。
l パスポートの写し
l 賃貸契約書の写し(賃貸住宅に住んでいる場合)
l 不動産の登記事項証明書(自己所有の物件に住んでいる場合)
l 日本の運転免許証、または運転記録証明書
l 卒業証明書、または卒業証書の写し
l 技能および資格証明書
その他の書類【健康状態に関するもの等】
その他にも、健康状態やルーツによって以下の書類が必要です。必要書類の確認時にしっかりと状況説明し、なるべく追加提出を求められないようにしましょう。
l 担当医が作成した診断書
l 母子手帳(妊娠中の場合)
l 家系図(親族構成が複雑で、ルーツが分かりにくい場合)
おわりに│帰化申請は書類不備に十分注意を
日本の帰化許可申請では、生活ぶりが事細かにチェックされるため、必然的に提出書類の数も多くなります。うっかりミスや提出物の自己判断による不足は、審査機関の長期化や不許可に繋がるため、十分注意しましょう。
▼帰化許可申請時の必要書類(概要)
l 申請書類一式(フォーマット指定があるもの)
l 身元関係の書類(国籍証明書、戸籍謄本等)
l 資産状況が分かる資料(残高証明書、給与明細等)
l 公的義務に関する書類(納税証明書等)
l その他の生活状況が分かる資料(パスポートの写し、学歴や技能証明書等)