日本人の配偶者が永住権を取得するには?

日本に長く住む外国人にとって、永住権は大きな目標の1つです。通常10年以上日本に在留しないと永住権は取得できませんが、日本人と結婚して配偶者になった場合は、3年以上という要件になり、期間が大幅に短縮されます。しかし、厳しい基準が設けられています。

永住権とは何か?

外国人が、日本に住んで仕事をしたり学校に行ったりするには、在留資格が必要です。この場合、仕事の範囲やアルバイトの時間的制限があります。しかし、日本人の配偶者になったり、永住者の配偶者となったりした場合には、「永住権」を取得することができ、仕事に関しての制限がなくなります。

この「永住権」には、他に日本人の実子の場合(特別養子縁組含む)や永住者の実子及び特別永住者の実子に該当する場合も含まれます。

日本人の配偶者が永住権を得るためには?

日本人と結婚した人、つまり配偶者が永住権を得るためには、次の書類を提出、または窓口で提示しなければなりません。

 ① 永住許可申請書

 ② 写真(縦4㎝✕横3㎝)1枚

 ③ 身分を証明する書類(いずれか1つ)

   ・配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書 1通

 ④ 申請者を含む家族(世帯)全員の住民票(1通)

 ⑤ 申請者または申請者を扶養する人の職業を証明する書面(1通)

    在職証明書、確定申告書または営業許可書の写し(自営業)等

 ⑥ 申請者または申請者を扶養する人の所得・納税証明書(直近3年分)

 ⑦ 申請者または申請者を扶養する人の公的年金・保険料の納付証明書

 ⑧ パスポートまたは在留資格証明書(提示)

 ⑨ 在留カード(提示)

 ⑩ 身元保証書(1通)、運転免許証等の写し(1通)

 ⑪ 身分を証明する文書(提示)

 ⑫ 了解書(1通)

 ⑬ 手数料(8,000円)

手続きにおける注意点とは?

日本人の配偶者が、永住権を得るためには、5つの注意点があります。

まず1つ目は、実体を伴った婚姻関係が3年以上続き、更に1年以上継続して日本に在留していることです。永住権を取得するためには、原則として10年以上日本に在留する必要がありますが、日本人の配偶者の場合は、3年以上となっています。

2つ目は、世帯で安定した収入があることです。「収入がいくら以上」という明確な基準は公表されていませんが、最低限300万円以上の世帯収入がないと、申請が許可されない可能性があります。

3つ目は、年金、公的保険料、税金の滞納がないことです。特に、申請前の3年間についての滞納は厳しく審査されますから、滞納がある場合には、滞納が解消されて3年後に申請をした方が良いでしょう。

4つ目は、公衆衛生において有害の恐れがないことです。具体的には、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症等、周りに感染するような伝染病に罹患してないことです。

5つ目は、犯罪歴がないことです。軽微な交通違反は別として、罰金刑や懲役刑をうけたことがない等です。

まとめ

日本人の配偶者になった外国人は、婚姻から3年以上で永住権を取得できます。但し、婚姻年数以外にも、「実体を伴った婚姻か」、「世帯で安定した収入があるか」等、幾つかの要件があります。また、素行が優良であること、つまり税の滞納をしていない、犯罪歴がない等の要件も重要です。