外国人が帰化するためには?

2025-10-16

帰化とは、日本に居住する外国人が、日本国籍を取得する制度のことです。今まで外国籍だった人が、新たに日本国民となる手続きですから、提出すべき書類の数は多く、審査もかなり厳密に行われます。条件は6つあり、在留資格等の手続きに比べてかなりハードルが高いと言えます。

帰化申請は「法務局で受付・審査され、最終的に法務大臣が許可する」国籍法上の行政手続です。単なる在留資格変更とは異なり、国籍・戸籍に関わるため、審査は慎重に行われます。

帰化とは何か?

帰化とは、日本に住所を置き、在留資格を持つ外国籍の人が、日本の国籍を取得する制度です。

取得する要件については後で詳しくご説明しますが、日本では二重国籍を認めていませんので、帰化が認められ、日本国籍を取得した段階で、今までの外国籍を失うことになります。

日本は「単一国籍主義」を採用しているため、帰化許可後は出身国の国籍離脱手続きも必要になる場合があります。特に韓国や中国など、自国で別途手続きが必要な国は、在外公館での届出を忘れないよう注意が必要です。

帰化申請に必要な書類とは?

帰化申請に必要な書類は,以下のとおりです。但し、申請者の事情によって、必要な書類が異なる場合があります。

  ・帰化許可申請書(申請者の写真が必要)

・親族の概要を記載した書類

 ・帰化の動機書

 ・履歴書

 ・生計の概要を記載した書類

 ・事業の概要を記載した書類

 ・住民票の写し

 ・国籍を証明する書類

 ・親族関係を証明する書類

 ・納税を証明する書類

 ・収入を証明する書類

 ・在留歴を証する書類

書類は「日本語訳を添付すること」が原則で、翻訳者の署名が必要です。特に外国の戸籍・出生証明などは、在外公館での認証を要することがあります。提出漏れがあると受理されないため、事前に法務局での相談が重要です。

帰化が認められる要件とは?

帰化申請が認められるためには、大別すると6つの要件があります。

まず、1つ目は「住所条件」です。申請の時点までに、継続して日本に住所を置いている必要があります。なお、日本に住所を置いていても、申請前の5年間、長期間海外に滞在していた場合には、審査の際に問題視される可能性があります。

一般的には「引き続き5年以上日本に居住していること」が目安とされていますが、日本人配偶者や永住者の場合は短縮されることもあります。住民票上の記録と実際の生活実態が一致しているかどうかも確認されます。

2つ目は、「能力条件」です。申請者が20歳以上であり、現在の国籍(申請時)の法律で行為能力を有する必要があります。例えば、インドネシアやシンガポール等の国々は、成人年齢が21歳ですから、申請時に20歳であっても、この条件を満たさないことになります。

3つ目は、「素行条件」です。素行が善良であるということですが、具体的には、税金を滞納していない、刑事罰を受けたことがない、重大な交通違反を犯したことがない等です。

特に納税状況と交通違反歴は重視されます。軽微な違反でも短期間に複数回ある場合は審査が厳しくなるため、申請前に税金の完納証明を取得し、違反金・保険料等も整理しておきましょう。

4つ目は、「生活条件」です。自己または生計一にする配偶者等の親族の資産・技能によって、生活することができるという条件です。申請者自身や親族に資産がある他に、生活を営むことができるような技能・資格があれば有利になります。

5つ目は、「重国籍防止条件」です。申請者自身に国籍がない、または日本国籍を取得することで、現在の国籍を失うという条件です。

最後の6つ目は、「憲法遵守条件」です。日本国憲法や憲法の下で成立した政府に対して、暴力で破壊することを企てたり、主張したり、またはそれらを目的とした政党その他の団体を結成したり、加入したりしたことがない、というのが条件です。

過去の所属団体や活動歴も確認されます。政治的過激団体への加入や、暴力行為等に関与した経歴があると、帰化は困難になります。日本社会に順応し、法を尊重して生活している姿勢が評価されます。

帰化手続きの注意点とは?

帰化申請では、申請書及び書類の提出後、申請者に対する面接が行われます。法務局の担当者から質問をされますが、その内容は個人によって異なります。また、面接時間も特に決まっていなくて、こちらも個人によって異なります。

ただ、質問内容は、親族のこと、今後の生活や仕事のこと、配偶者と知り合った経緯、日本国籍を取得したい理由等です。つまり、申請書や書類の内容に関連した事柄が聞かれると思って間違いありません。聞かれた質問に対しては、的確で偽りのない回答をするように心がける必要があります。

面接は「生活実態」や「日本語力」も確認されます。担当官は家庭や職場への訪問調査を行う場合もあります。虚偽回答や書類矛盾が見つかると、許可が大幅に遅れるか、却下されることもあるため誠実な対応が重要です。

まとめ

帰化申請が許可されるためには、6つの条件をクリアする必要があります。また、面接における受け答えも重要なポイントになります。今までの外国籍を喪失し、新たに日本国籍を取得する制度ですから、特に提出書類の記載や面接における対応には、十分留意する必要があります。

帰化は日本への定住を希望する外国人にとって最終段階の在留ステップとも言えます。要件を満たせば確実に許可されるわけではないため、法務局への事前相談や専門家のサポートを受けることで、審査を円滑に進めることができます。


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