【よくある質問にわかりやすく回答!】帰化申請にはどの程度の日本語能力が必要か?

2025-10-27

外国籍の人が日本国籍を取得したい場合は、帰化申請を行い、審査にパスしなければなりません。その際には、今後日本人として生活するために必要な「日本語能力」も審査されます。それでは、どの程度の「日本語能力」が必要なのでしょうか?

帰化における日本語力の確認は、単なる語学試験ではなく、「日本社会に溶け込み、自立して生活できるか」を判断する重要な指標でもあります。特に日常会話の理解力や行政手続き書類の読解力が重視される傾向にあります。

帰化申請とその要件

帰化申請とは、外国籍の人が日本国籍の取得を希望する場合に、出入国在留管理局に申請することです。帰化申請が認められるためには、次の6つの要件が必要です。

1つ目は、申請時までに、継続して日本に住所を置いているという「住所条件」です。但し、日本に住所を置いていても、申請前の5年間に、海外に長期間滞在していた場合には、この条件に該当しない場合があります。

この「住所条件」は単純な居住期間の確認ではなく、実際に生活の拠点を日本に置いているかが重視されます。例えば、納税や勤務履歴、電気・ガスなどの契約実績も、生活実態の裏付けとして確認されます。

2つ目は、申請者が18歳以上という「能力条件」です。また、同時に、本国の法律でも成人年齢に達していないといけません。

3つ目は、「税金を滞納していない、刑事罰を受けたことがない、重大な交通違反を犯したことがない等の「素行条件」です。

4つ目は、申請者本人または生計一にする配偶者等の親族の資産・技能によって、生活することができるという「生活条件」です。申請者や親族に資産があり、生活を営むことができるための技能・資格があれば有利です。

5つ目は、申請者本人に国籍がない、または日本国籍を取得することで、現在の国籍を失うことに同意しているという「重国籍防止条件」です。

6つ目は、日本国憲法、憲法の下で成立した政府に対して、暴力で破壊することを企てたり、主張したり、あるいはそれらを目的とした政党その他の団体を結成したり、加入したりしたことがない、という「憲法遵守条件」です。

これら6つの要件を満たしていても、審査では生活の安定性・地域とのつながり・日本語でのコミュニケーション力が総合的に評価されます。書類上の条件だけでなく、日常生活での信頼性も重要です。

日本語能力はいつ判断されるのか?

先程ご説明した6つの要件の他に、今後日本人として生活する上で重要な点があります。それは、日常生活で不自由することなく、日本語が使えるか、つまり、日本語能力はあるかということです。

それでは、その日本語能力はいつ判断されるのでしょうか?次に挙げる場面で判断されます。

まず、法務局の窓口です。帰化申請を希望する場合、まず本人が法務局に行って、相談することになります。この時に、日本語能力に対して、対応した担当者からチェックを受けることになります。

次に、「動機書」です。申請の際に、帰化申請を行うに至った動機を書き、提出しなければなりません。この「動機書」は申請者が自筆することになりますから、日本語能力の高低が明確になります。

また、申請の際には、担当者が書類をチェックしながら、幾つか質問を行いますので、この際にも日本語能力を見られることになります。さらに、申請の際には、担当者の前で「宣誓書」を読み上げなくてはなりません。この時にも、きちんと日本語が読めているかをチェックされます。

この面談や読み上げの場面では、文法的な正確さよりも「意味を理解して話せるか」が評価されます。たとえ流暢でなくても、質問に対して自分の考えを日本語で説明できることが大切です。

申請書が受理された後に、法務局から呼び出しがあり、面談が実施されます。この際に、日本語のテストを受けることになります。

どの程度の日本語能力が必要か?

外国籍の人が帰化申請を行う場合には、どの程度の日本語能力が必要なのでしょうか?

一般的には、小学3年生程度の日本語能力だと言われています。また、日本語能力検定では、「N3」程度です。この「N3」とは、「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる」と定義されています。

実際の審査では、語彙や文法よりも「生活に支障のない会話力」が重視されます。役所での手続き説明、学校や職場での意思疎通ができれば十分とされ、形式的な筆記試験ではなく、実用的な理解力を見られます。

帰化申請を検討している外国籍の人は、申請前に、この「日本語能力検定」を受けて、自分の日本語能力を確認しておいた方が良いでしょう。なお、日本の四年制大学を卒業している外国籍の人は、基本的に日本語能力テストの受験は免除されます。

まとめ

外国籍の人が、帰化するためには、小学3年生程度の日本語能力が必要です。将来、帰化を考えているのであれば、自らの日本語能力を図る意味で、日本語能力検定を受検してみては如何でしょうか?

日本語能力の有無は単なる語学の問題ではなく、日本で自立して生活できるかどうかの判断基準でもあります。社会との関係性を築く力が重視されるため、日常会話を通して自然に日本文化や習慣を理解することが、帰化成功への近道といえるでしょう。


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