知っておこうロシア人との結婚の手続きにおいて大切なこととは
国際結婚が珍しくなくなった昨今においては、日本人とロシア人が結婚するケースも少なくありません。
日本人とロシア人が結婚する場合、先にロシアで結婚するケースと、先に日本で結婚するケースがあり、それぞれ手続きが異なります。
ロシアと日本の結婚制度は似ている部分もありますが、婚姻成立のタイミングや書類の有効性に違いがあります。どちらの国で先に婚姻を成立させるかによって、提出先や必要書類が変わるため、順序を誤ると再手続きが必要になることもあります。
そこで今回は、ロシア人との結婚の手続きについて解説します。
先にロシアで結婚するケース
日本人とロシア人が、先にロシアで結婚する場合は、まず日本の法務局で婚姻要件具備証明書を取得します。
婚姻要件具備証明書とは、申請者が独身であることや、婚姻年齢に達していることなどを証明する書類です。
この証明書は、ロシア側の当局に「日本法上も婚姻が可能な状態である」と示すためのもので、発行まで数日かかる場合があります。婚姻予定日が決まっている場合は、余裕をもって申請しておくことが重要です。
日本人がロシアで結婚する場合、ロシアにおける法的な結婚の要件を満たしていることを証明するために、婚姻要件具備証明書を提出しなければなりません。
法務局で婚姻要件具備証明書を取得したら、証明書を外務省に提出してアポスティーユを受けます。
アポスティーユとはある書類について、日本の官公署や自治体が発行した正式な公文書であることを、その国の機関が認証する手続きです。
婚姻要件具備証明書に限らず、日本の政府や自治体が発行した公文書を外国政府に提出する場合は、一般にアポスティーユが必要になります。
アポスティーユの認証を受けたら、ロシア領事館で婚姻要件具備証明書(と訳文)を認証してもらいます。
証明書の手続きが終わったら、必要書類を持ってロシアに入国し、ロシア人配偶者が居住する住所地の公証人の立ち会いのもとで、ロシアの婚姻公証書を作成します。
婚姻証書の作成が終わったら、ザックスと呼ばれる現地の登録機関で婚姻登録をすると、ロシアでの結婚の手続きはひとまず完了です。
ザックス(ZAGS)は日本でいう市役所の戸籍課に相当し、婚姻証明書(Свидетельство о заключении брака)を発行します。この証明書は後に日本側で婚姻届を出す際にも必要になるため、必ず原本と翻訳をセットで保管しておきましょう。
その後の流れは、基本的に先に日本で結婚するケースと同様で、婚姻届の提出・婚姻届受理証明書の発行・配偶者ビザの申請などを行います。
先に日本で結婚するケース
日本人とロシア人が、先に日本で結婚するケースでは、まず短期滞在査証(短期滞在ビザ)を申請して、ロシア人を日本に招へいします。
その後、在日ロシア領事館において、ロシアにおける婚姻要件具備証明書の発行の申請をします。
婚姻届に必要事項を記入して、日本の市区町村で婚姻届を提出すれば、日本における婚姻は成立します。
婚姻届を提出した後、日本で結婚したことを証明するために、婚姻届を提出した市区町村役場で、婚姻届受理証明を発行してもらいます。
その後、ロシア人配偶者が日本に引き続き滞在するための手続きとして、ロシア人配偶者の現在の在留資格(就労ビザなど)を、「日本人の配偶者等」の資格に変更するのが一般的です。
まとめ
日本人とロシア人の結婚では、「どちらの国で先に婚姻するか」によって手続きが大きく異なります。
日本で先に結婚した場合は在日領事館との連携が、ロシアで先に結婚した場合はアポスティーユや翻訳、公証の流れが重要です。
いずれのケースでも、婚姻要件具備証明書・婚姻証明書・受理証明書の3点を正確にそろえることがスムーズな手続きの鍵です。
不安がある場合は、国際結婚手続きに詳しい行政書士や翻訳公証サービスを利用すると安心です。























