帰化申請は自分で出来る?│自力申請のメリットと必要条件

帰化申請は行政書士に任せる場合が多いものの、申請人である外国人が自分で進めても構いません。ただし、外国人が在留するための手続きに比べるとはるかに煩雑になる点から、時間の都合や手続きに対する理解度が問われます。

帰化申請に必要な対応

外国人が日本に帰化するための手続きでは、資産・収入・納税状況・親族関係等の様々な書類が必要です。必要書類その他の手続きの説明は、個別に管轄の法務局で案内を受けなくてはなりません。
また、指定された書類を提出して結果を待つだけではなく、面接や結果通知後の届出等の対応もあります。

【参考】帰化申請の一般的な流れ
① 法務局での事前相談(要予約)
② 必要書類の収集(一部手書き/本国発行の書類も含む)
③ 法務局での再相談(提出物の最終チェックのため)
④ 申請書類の提出
⑤ 面接(配偶者がいる場合は夫婦面接になる)
⑥ 官報告示+電話連絡による結果通知
⑦ 国籍離脱+帰化の届出

帰化申請を自分でやるメリット

帰化申請を外国人自身でやるメリットは、何と言っても費用が安く済む点です。社会的には日本人として扱われている人にとっては、プライバシーを守れる点も安心です。

申請費用が最低限で済む【1人あたり数千円程度】

帰化申請を本邦の行政書士に代行してもらう場合、必要書類の収集費用の他に、各種相談やトラブル対応の費用込で15万円から20万円程度の報酬が発生します。自力でやるのなら、負担は1人あたり数千円程度が相場となる書類収集費用に留まります。

※帰化申請自体の手数料はかかりません。

誰にも知られずに日本国籍の取得が完了する

帰化申請の代行では、依頼先にこれまでの経歴等を事細かに伝えなければなりません。そもそも許可されるかどうか、書類の記載内容をどうするかといった判断のため、その内容はかなり詳細に及びます。
自力で帰化する場合、上記のような手順は不要です。申請方法に関わらず官報に氏名・住所の掲載はあるものの、身近な人の目に触れる可能性は考えにくいと言えます。手続きの過程では、近親者および身元保証人になってもらう人を除き、これから日本国籍を取得しようとすることは広まりません。

外国人が自力で帰化申請するための条件

手続き上、外国人が自力で帰化申請するためには、いくつかの条件をクリアしなければなりません。十分な環境がない人は、代行サービスの利用を検討するのが近道と言えます。

平日に時間がとれる

帰化申請の一般的な流れを見ると、法務局に通うタイミングが計3回あります。いずれも平日のみとなり、仕事は休む等して時間を作らなくてはなりません。
また、戸籍謄本や外国人登録証明書等といった必要書類を集めようにも、その場で受け取るなら原則として平日に窓口を訪れる必要があります。

帰化に成功する見込みが十分ある

帰化の判断は審査に委ねられており、条件を満たしているつもりでも、実際には不許可となる場合があります。単純に書類不足で不許可となる可能性も否定できません。
下記のような場合は、帰化に詳しい専門家の支援がないと、国籍取得に至らず時間を無駄にする可能性があります。

l 債務がある(生計条件に不安がある)
l 直近で転職している(生計・就労期間等の条件に不安がある)
l 交通違反や税の滞納・未納がある(素行・生計の条件に不安がある)
l 必要書類を集める時間がない、もしくは収集に不安がある

おわりに│帰化申請を自力でやるためのハードル

費用を最低限に、かつなるべく事情を知る人を減らしながら帰化するなら、自力で手続きするのがベストです。実際には、多数の書類を平日中心に集めたり、不許可となる可能性を出来るだけ減らす対応が必要となったりする等、様々なハードルがあります。
スムーズに日本国籍を取得したいのなら、本邦の専門家の手助けを得るのが確実です。