日本で帰化申請する時の費用はいくら?│かかるのは代行費用&書類交付手数料のみ

2022-05-28

日本で帰化申請する場合、申請そのものの手数料はかかりません。ただし、提出する書類を集めたり、行政書士に依頼したりする時に、それぞれ決められた額を負担します。
自力で手続きすれば節約できますが、全くお金がかからないというわけではありません。

帰化申請費用の内訳

帰化申請の時にかかる費用は、概ね表の内容で構成されています。
全体で最終的にいくら負担することになるのか、その金額は代行依頼の有無と提出書類の内容に左右されます。

費目内容・金額の目安
帰化許可申請手数料0円
本国の書類発行手数料本国指定の交付手数料
日本国内の書類発行手数料役場、職場、出身校等の指定料金の合計
面接時の交通費交通機関指定の料金(電車・バス利用なら数百円程度)
代行費用行政書士報酬として、10万円から20万円程度

帰化申請を自力で行う場合の費用目安

帰化申請を申請人自身で進めるなら、書類発行手数料の他に、面接時の交通費を負担するだけで済みます。注意したいのは、提出書類が統一されておらず、外国人によって種類や部数が変わる点です。

本国の書類発行手数料

帰化申請ではルーツや家族関係の証明が必須となるため、領事館あるいは大使館で証明書類を請求しなければなりません。例として、次のようなものが必要になります。

l 国籍証明書
l 出生証明書
l 両親の婚姻証明書
l その他、家族関係を証明する書類
l 国籍喪失届

参考までに、中国と韓国の各種交付手数料を紹介します。

▼中国の場合(1通あたり)
概ね70元(日本円で1,300円~1,400円程度)
※出生証明、独身証明、婚姻証明、離婚証明で共通

▼韓国の場合(1通あたり)
110円+返信用切手代
※家族関係証明書、基本証明(出生・死亡・改名等の人的事項証明書)、婚姻関係証明書、入養関係証明書等で共通

日本国内の書類発行手数料

日本国内で取り寄せる書類には、一定の交付手数料が定められているものが複数あります。提出が求められる書類のうち、官公庁で取り寄せる分については、金額の目安があります。

▼官公庁に交付請求する書類(一例)
外国人登録原票記載事項証明書:300円程度/1通
住民票の写し・戸籍謄本:300円~750円/1通
納税証明書(国税・地方税):300円~400円程度/1通
出生届の記載事項証明書:無料~300円程度/1通

その他、勤務先、出身校、銀行、場合によっては医療機関にも書類請求しなければなりません。1通あたりせいぜい数百円程度ですが、医師の診断書が必要になると、取り寄せるだけで3千円から7千円程度かかります。

▼民間の団体等に交付してもらう書類(一例)
l 卒業証明書、在学証明書
l 預金口座の残高証明書
l 法人の登記事項証明書(会社役員等の場合)
l 担当医作成の診断書(障害や病気がある場合)

面接時の交通費

帰化申請が受理されて2か月から4か月ほど経過すると、法務局から面談の要請があります。面談自体に手数料はかからないものの、距離と申請人の数に応じ、交通費を負担しなければなりません。

帰化申請の代行費用【行政書士に依頼する場合】

帰化申請を行政書士に代行してもらう場合は、概ね申請人1人あたり10万円から20万円程度かかります。家族分も同額かかるわけではなく、代表者以外は比較的安価で済むのが一般的です。
これまで帰化した人の平均的な負担額は、令和2年度報酬額統計調査の結果(リンク)にまとめられています。

費目
金額の相場
相談費用
0円~8千円
代行報酬(本人分)
10万円~20万円/1人
※面接同行費用、本国書類の翻訳手数料等を含む
代行報酬(家族分)
5万円~7万円/1人
実費
各種書類交付手数料等

被雇用者の場合

会社に雇われて給与で生計を立てている人の申請代行費用は、平均して約17万円(千円未満切り捨て)です。10万円単位で区切って報酬水準別に見ると、10万円以上20万円未満で済む人が約64%、30万円未満で済む人が23.9%です。
例外的な対応が必要になるケースは、高額化して50万円以上に及ぶこともあります。

会社役員または個人事業主の場合

自分で事業を営む外国人の申請代行費用は、やや高めの約25万円(千円未満切り捨て)です。20万円以上30万円未満で済む人が全体の約42%、10万円以上20万円未満で済む人が約28%となります。
同じく、難しい対応が必要になるケースは50万円以上に及びます。

日本に地縁・血縁がある「簡易帰化」の場合

特別永住者や日本人と結婚している外国人は、簡易帰化と呼ばれる手続きで済みます。
簡易帰化の代行費用は平均して約17万円ですが、25万円以上になる人は約14%に過ぎません。

おわりに│帰化申請の代行・サポートを依頼するメリット

帰化申請の際は、関係各所から書類をもらう時に総額数千円程度の費用がかかります。自力でなるべく安く済ませたいところですが、集める書類を確認したり、交付請求の連絡をとったりするのに手間がかかる点に要注意です。
また、帰化申請の許可・不許可の結果が分かるまで最短1年から2年程度はかかる点にも注意しましょう。不備があるとさらに時間がかかり、場合により不許可になってしまいます。代行報酬はかかるものの、なるべく専門家に支援してもらうのが安全策です。

▼帰化申請の代行・サポートのメリット
l 許可されやすくなる
l 手続きが短期間で済む
l 自分で手続きする手間が省ける
l 自由形式の書類(申述書等)を求められても、スムーズに対応できる