外国人が帰化許可申請をする理由│日本国籍の取得で得られるメリット

外国人が日本で帰化する主な理由は、家族もしくは仕事、あるいはその両方です。
就職、転職、住宅購入、起業……とのように、どんな場面でも帰化者は永住者にすらないメリットを享受します。

帰化する理由1:子どもの将来のため

帰化の理由ないしきっかけとして多いのは、子どもの誕生です。妊娠が分かってすぐ手続きを始める人から、我が子の進学・就職を機に家族で話し合って決める人まで、帰化許可申請までの経緯は様々です。
共に外国人の夫婦(永住権含む)から生まれた子は、日本で生まれても、父または母の国籍を取得します。必然的に、在留資格の更新や就職・進学時の書類の取り寄せ等といった手間を負わざるを得ません。就職先も限定され、日本の行政および捜査機関で働くことは極めて難しくなります。そこで、次のようなメリットを得るため、子の出生を機に家族揃って帰化を考える人が多くいます。

l 出入国・在留手続きの煩わしさから解放してあげられる
l 日本のパスポートを得て、自由に留学や旅行をさせられる
l 日本で定住するにあたり、将来の選択肢を増やしてあげられる

帰化する理由2:就職やビジネスのため

次に多いのは、就職やビジネス展開のための帰化許可申請です。
「特別永住者」や「永住者の配偶者等」の資格を得ていない場合、就職先と就労時間に一定の制限があります。また、転職または退職の度に原則として在留資格の変更が必要になり、煩わしいと言わざるを得ません。
より大変なのは、日本で起業する場合です。在留資格「経営・管理」でも対応できるところ、資本金等の一定の許可基準があり、事業融資も外国籍のため審査難易度が上がります。
先に日本国籍を取得すれば、以下のように就職・起業共に日本人同様の扱いを受けられます。

l 職業選択が完全に自由になる
l 起業や役員就任に一切制限を受けなくなる(会社法等の適用はある)
l 融資・資金調達の選択肢が増え、ビジネスの新規スタートが容易になる

帰化する理由3:結婚のため

他には、婚約や結婚前提の交際を始めたのを機に、日本国籍を取得しようと考え始める人も多くいます。住宅購入、子の誕生……と続くライフプランを考えると、外国籍が支障をきたす局面が多くあるからです。
他には、日本特有の外国人に対する意識も挙げられます。本邦には外国人との関わりに慣れていない人が多く、親族に外国籍の人を迎える場合、コミュニケーションや各種手続きに障りが出てしまうかもしれないとの先入観を抱く傾向があるのです。
そこで、国際結婚となるのを避け、先に日本国籍を取得して以下のメリットを得ようとする人が多く見られます。

l 子の国籍にまつわる問題を避けたい
l 住宅ローン審査のハードルを下げ、スムーズに新居を手に入れたい
l 婚約者の両親と良好な関係を築きたい

おわりに│外国人が帰化で得られるメリット

ここで紹介した帰化の理由からメリットを整理すると、主だったものとして5点挙げられます。実生活への直接的な影響は少ないものの、参政権が得られる点も、定住する上で重要なポイントです。

l 在留関係の面倒な手続きから解放される
l 日本のパスポートが手に入る(ビザ免除国・地域が多く渡航しやすい)
l 就職・起業の制限がなくなる
l 住宅ローン等、各種融資審査が通りやすくなる
l 日本人の親族に受け入れられやすくなる

帰化許可申請は通常1年程度の時間を要し、必要書類も多数あります。いよいよ手続きを開始する時は、本邦の理解者や専門家の支援を受けましょう。