【行政書士が解説】永住権の取得で保証人がいない場合は?
「永住権」を申請する際に、「身元保証書」の提出が必要です。この書類には、申請人の「身元保証人」になってくれる人が署名しなければなりません。日本人と結婚している人など、保証人になってくれそうな人が身近にいる場合は良いのですが、そうでない場合は、どのように対処したら良いのでしょうか?
出入国在留管理庁の最新ガイドライン(2024年時点)では、身元保証書は永住申請における「任意提出書類」と位置付けられていますが、実務上はほぼ全件で求められます。申請人の素行・生計・社会的関係を総合的に判断するため、保証人の社会的信頼性も重要な判断材料になります。
永住権とは?
永住権とは、次のような在留資格です。
就労ビザを持って、日本の会社に勤務する外国人Aさんがいたとします。そのAさんが、日本人Bさんと結婚した場合に、就労ビザから在留資格「配偶者等」に変更することができます。この在留資格が、一般的に「永住権」と呼ばれるものです。
「永住権」が取得できるのは、日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者、日本人の実子(特別養子縁組含む)、永住者の実子及び特別永住者の実子に該当する人です。
「永住権」を取得すると、日本での在留期間の制限がなくなり、就労する職業についても基本的に制約はありません。つまり、ほとんど日本人と同じような生活を送ることができるということです。
永住権(在留資格「永住者」)の取得は、入管法第22条に基づく許可行為であり、単なる「配偶者等」とは異なります。配偶者ビザが3年などの期限付きなのに対し、永住権は在留期間が「無期限」となり、更新手続きが不要です。配偶者等のビザから永住へ切り替える場合でも、納税・年金加入などの要件審査が別途行われます。
身元保証人とは?
在留資格「永住権」を取得するには、出入国在留管理局に申請書や必要書類を提出し、審査を受けた上で、許可を得る必要があります。この必要書類の中で、「身元保証書」が大きなポイントになります。
この「身元保証書」を提出できるということは、申請する外国人に身元を保証してくれる人(身元保証人)が存在することを表しています。なお、身元保証人になれる人は、日本人か永住資格を持つ外国人です。
申請する外国人の身元保証人になってくれるということは、今後日本で永住者として生活して上で、大きな「保証」があることを表しています。逆に身元保証人がいない、見つからない、頼んでもなってくれないような外国人が、今後日本に永住することは、理屈の上でも無理があります。
「身元保証書」は、形式上3つの事項(①滞在費の保証、②帰国旅費の負担、③法令遵守に関する指導)について保証する内容になっていますが、これは法律上の強制的な支払い義務を伴うものではありません。入管庁も「道義的責任にとどまる」と明示しています。
多くの場合、日本人と結婚している人は配偶者が、日本人の養子になっている人は養親が身元保証人なります。また、そのような人がいない場合には、現在勤務している会社の上司、学生時代の恩師、先に永住権を持っている友人、知人の弁護士等に頼むケースが多いようです。
保証人には「安定した収入」や「納税記録のある人」が望ましく、審査では保証人の勤務先・職業・年収を確認される場合もあります。実務上、同居の配偶者以外では、会社経営者・公務員・長年日本在住の永住者など社会的信用が高い人物が選ばれる傾向があります。
保証人がいない場合は?
それでも、身元保証人がどうしても見つからない場合は、どうしたら良いでしょうか?
残念ながら、身元保証人になってくれる人を必死で探して、ひたすらお願いするしかありません。日本人は「保証人」と聞くと、「借金を背負う危険がある」とか「無理なお願いをされる」と言ったマイナスイメージがつきまといます。
しかし、永住権の身元保証人の場合は、申請する外国人について、「永住権を持つことに問題ない」と保証するためだけの役割であり、金銭的な保証や負担は必要ありません。
従って、永住権の申請を考えている人で、直ぐに保証人を引き受けてくれる人がいなくても、会社の上司や社会的に信用のある仕事についている知人などに説明をして、引き受けもらうようにしましょう。
どうしても保証人が確保できない場合は、申請書に「保証人不在の理由書」を添付し、雇用主・行政書士・宗教団体・地域ボランティアなどからの推薦状を併せて提出することで補うケースもあります。ただし、保証人なしでの許可は極めて例外的であり、他の要件(収入・素行・在留歴)が完璧に整っている必要があります。
まとめ
外国人が「永住権」を持つためには、「身元保証人」は必須事項です。引き受けてくれる人がいない場合、「永住権」の取得は難しいと思っておきましょう。引き受けてくれる人が身近にいない場合でも、会社の上司、知人などを頼って、金銭的な負担などがないことを説明しましょう。
保証人はあくまで形式的・道義的な存在であり、金銭的責任を負うものではありません。誤解を避けるため、依頼時には「永住申請用の保証であり、借金保証ではない」旨を明確に伝えると引き受けてもらいやすくなります。























