【疑問に答えます】自衛官の国際結婚は可能か?

経済や文化において、国際交流が盛んになり、日本でも国際結婚が増えてきました。一方、自衛官はその部署、役職によっては、防衛上の機密情報を扱う場合もあります。このような自衛官に国際結婚は可能なのでしょうか?

自衛官とは?

「自衛官」という言葉をよく耳にしますが、自衛官とは何を指す言葉でしょうか?

日本の防衛省には、その特別機関として、「自衛隊」があります。自衛官とは、その自衛隊において任務を行う「自衛隊員」と「防衛省職員」を指します。これら自衛官は、常勤特別国家公務員及び非常勤特別国家公務員に当たります。

日本の自衛官は、外国の軍隊における「軍人」に該当します。ただ、日本の自衛隊は志願制を執っており、「自衛隊法」では、自衛官の任務について「命を受けて、自衛隊の任務を行う」と規定されています。

自衛官は、個別の機関である「陸上自衛隊」、「海上自衛隊」及び「航空自衛隊」のいずれかに所属することになります。なお、最高指揮官は、内閣総理大臣です。

国際結婚とは?

国際結婚とは、国籍が異なる男女が結婚することを指します。日本でも国際結婚が増加したとは言え、諸外国、特に欧米各国に比べて、まだまだ少ないのが現状です。

日本における国際結婚は、1970年には0.54%(婚姻数全体の割合、以下同じ)でしたが、1980年代以上は急増し、2005年には5、6%となりました。しかし、それ以降は減少し、2012年には約3.5%となりました。減少した背景には、ビザを取得するための「偽装結婚」に対して、摘発が増えたことなどが挙げられます。

2019年の統計では、日本人が夫・外国人が妻の婚姻件数は14,911組、外国人が夫・日本人が妻の婚姻件数は7,008組です。前者が後者の倍ですが、この傾向は昔からあまり変わっていません。

自衛官の国際結婚は可能か?

日本でも珍しくなくなった国際結婚ですが、自衛官が外国人と結婚することは可能なのでしょうか?

結論から申し上げますと、自衛官の国際結婚を禁止する法律は存在しません。そもそも、「日本国憲法第24条」で、日本人には「婚姻の自由」が認められていますから、国際結婚を禁じる法律自体が憲法違反ということになります。従って、自衛官も自分の意思で、外国人と結婚できることになります。

ただ、自衛官が外国人と結婚した場合に、懸念されることが、機密情報の漏洩です。自衛官が家庭内で配偶者に機密情報を話した場合に、その配偶者が本国の政府機関にその機密情報を意図的またはうっかり話すことで、国際問題に発展することが全くないわけではありません。

このような懸念を想定したものとして、国際結婚をした自衛官に対して、補職制限がかけられる可能性があります。この補職制限とは、機密情報を取扱い業務や部署に就くことを制限するものです。自衛隊という組織を守るために設けられた制度だと言えます。

まとめ

自衛官の国際結婚を禁止する法律は存在しません。元々憲法で「婚姻の自由」が認められていますから、あらゆる日本人に対して、国際結婚自体を禁止することはできません。但し、国際結婚をした自衛官には、一定の補職制限があることも事実です。