日本の永住権と帰化の違いについて解説

2025-10-16

外国人の方が日本で永久的に滞在するには、永住権の取得や帰化許可申請の選択肢があります。外国人の方にとっては「違いがわからない」「それぞれの特徴を知りたい」など。気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、永住権と帰化の違いを解説します。

永住と帰化はどちらも「長期的に日本で生活する」ための制度ですが、法的な根拠と目的が全く異なります。前者は「在留資格」であり、後者は「国籍の取得」です。申請先も異なり、永住は出入国在留管理局、帰化は法務局で行います。

永住権とは

外国籍を変えずにそのまま日本に滞在できる在留資格を指します。出入国管理及び難民認定法第22条に規定される在留資格の1つです。

永住権の取得によって、就労・居住・転職などの制限がほぼ撤廃されます。ただし「日本国籍を持つ」わけではないため、選挙権や被選挙権、公務員としての任用などは依然として制限されます。

永住権を取得するには、交通違反や犯罪歴、公的年金納付などの素行要件、収入・生活安定性などの独立の生計要件、日本の利益になると認められることなどの要件があります。

永住権を取得すると、国籍を変えないまま無制限で日本に滞在できることになります。

就労制限もなくなり、社会的信頼が得られるのが大きな特徴です。

在留資格の更新は7年ごとになり、負担を軽減できるメリットがあります。

・原則10年在留に関する特例特例

10年間の在留がなくても永住権を申請できる特例があります。

1.日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続かつ、引き続き1年以上日本に在留していること。その実子等の場合は1年以上日本に継続して在留していること

2.「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留している

3..難民の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること

4.外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上日本に在留していること

特例の適用を受ける場合でも、納税・社会保険加入・安定した収入といった基本的条件を満たしていることが前提です。特に「配偶者ビザ」からの申請では、婚姻の実体(同居・扶養関係等)が厳しく確認されます。

帰化とは

帰化とは外国籍の人が日本国籍を取得することです。

日本国籍を取得すると、帰化申請をする前の名前のままでも可能ですが、自分で決めた日本の名前を使用することもできます。

ただし、帰化許可後の名前には制限があります。戸籍法とは「常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める」と記載されています。

つまり、常用漢字・人名用漢字・ひらがな・カタカナ以外の文字は使用できません。外国語の綴りをそのまま漢字に当てはめたような名前は認められない場合があります。

普通帰化は、居住要件、能力要件、素行要件、生計要件、重国籍防止要件、憲法遵守要件、日本語能力要件などの7つがあります。

日本語能力は明文化された検定基準ではありませんが、一般的には日本語能力試験(JLPT)N3程度の会話・読み書き能力が目安とされています。面接では日本語で質問されるため、日常会話レベルの理解力が必要です。

帰化すると、日本のパスポートを取得できることや戸籍を持つことができるなどのメリットがあります。

また、参政権、融資を受けられやすくなる、公務員になることができるなど、日本人と同様の権利を得られます。

帰化によって外国籍を失うため、二重国籍は認められません。日本国籍を取得した後は、外国のパスポートを使うこともできなくなります。

まとめ

永住権とは、外国籍を変えずにそのまま日本に滞在できる在留資格を指します。出入国管理及び難民認定法第22条に規定される在留資格の1つです。

国籍を変えないまま無制限で日本に滞在できることが大きな特徴となっています。

一方、帰化とは外国籍の人が日本国籍を取得することです。日本のパスポートを取得できることや戸籍を持つ、参政権、戸籍を持つなど、日本人と同様の権利を得られます。

まとめると、永住は「国籍を維持したまま日本に住み続ける制度」、帰化は「日本人になる制度」です。将来の生活拠点や国際的活動を見据えて、どちらを選ぶかを検討することが重要です。


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