【行政書士が解説】就労ビザのまま学校に通うことはできるか?
就労ビザは、外国人が日本で働くことができる在留資格です。ですから、基本的に就労以外の活動を日本で行うことはできません。では、資格取得やスキルアップのために学校に通うことはできるのでしょうか?在留資格を変更する必要はないのでしょうか?
就労ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」など)は、就労を主目的とするものであり、学業はあくまで補助的な位置づけです。ただし、夜間・通信・週末クラスなど、就労に支障がない範囲での受講は実務上認められています。
就労ビザとは?
外国人が、日本に在留するためは、大きく分けて「就労系」と「身分系」のどちらかの「在留資格」を取得する必要があります。
就労系の在留資格を一般的に「在留ビザ」と言います。この在留資格では、特定の仕事・職種に就くことが認められる資格です。逆に言えば、認められていない仕事・職種につくことを禁止しています。また、身分系の在留資格は、日本に住む親族等と生活でできることが認められる資格です。
就労系ビザには、「技術・人文知識・国際業務」「技能」「経営・管理」など19種類があり、それぞれに認められる活動内容が定められています。たとえば「技能」ビザで調理師として働く人が、事務職に転職する場合は資格変更が必要です。
就労ビザのまま学校に通うことはできるか?
外国人が就労ビザを所有したまま、学校に通うことはできるのでしょうか?結論から言いますと、基本的には可能です。
日本人の場合でも、会社に勤めながら、資格取得やスキルアップのために専門学校に通うケースが少なくありません。同じく日本で就労する外国人についても、特に禁止されていません。
しかし、ここに「但し書き」がつきます。それは、学校に通ったり、勉強したりすることに熱心なあまり、本来の仕事をおろそかにして、一定期間以上、認められている在留資格に関する仕事をしなかったと、出入国在留管理局に判断された場合です。もしこのような事態になれば、現在持っている「在留資格」が取り消される可能性があります。
在留資格の取り消しは「6か月以上、認められた活動を行っていない」と判断された場合などに行われます。週末だけ通うスクールや夜間大学などは通常問題ありませんが、勤務時間が大幅に減る場合は入管に相談し「活動内容に支障がない旨」を明確にしておくと安心です。
もし仕事を辞めて、本格的に学校に通って勉強をしようと思ったら、「留学」という在留資格に変更しなければなりません。
「留学ビザ」への変更を希望する場合は、入学予定校の「在留資格認定証明書交付申請書」と「入学許可証」を提出し、在留資格変更許可を申請します。就労ビザからの切替は、学校の種別や通学目的が正当と判断される必要があります。
副業にも注意
現在会社に勤務しながら、仕事帰りや休日に副業をする人も少なくなく、それを認める会社も増えてきました。
ただ、先程もご説明したように、「就労ビザ」を持つ外国人の場合、認められた仕事以外をすることは、原則禁止されています。それでは、いわゆる「副業」をしても良いのでしょうか?その答えは、「はい」です。しかしそれには、現在の在留資格以外に、「資格外許可活動」の許可を得る必要があります。
「資格外活動許可」は、出入国在留管理局で申請可能で、通常は申請から2〜3週間で交付されます。許可を得れば、週28時間以内などの範囲で副業やアルバイトが可能になりますが、主たる活動(本業)を損なわないことが条件です。
但し、「業として行うものではない講演に対する謝金」、つまり1回だけ頼まれて講演をした場合、また「日常生活に伴う臨時の報酬等」、つまり友人から頼まれて車の運転をして御礼を受け取ったような場合、さらに「現在の在留資格で認められている活動」、つまり今の「就労ビザ」に関連するアルバイトをする場合には、「資格外活動」の許可は不要です。
副業の対象となる活動が「在留資格で許可されている業務と関連性があるかどうか」は、個別に判断されます。たとえば、通訳ビザ保持者が翻訳業務を請け負うのは原則許容されますが、飲食店での接客業務は資格外活動に該当します。
まとめ
就労ビザを持っていても、学校に通うことは、基本的に問題視されません。しかし、本来の就労ビザで認められた仕事が疎かになったと、出入国在留管理局から判断された場合、現在の就労ビザが取り消される可能性がありますから、注意が必要です。
学業や副業を検討する際は、まず「主たる活動=就労」に支障が出ないかを確認し、必要であれば入管や行政書士に相談しましょう。特に在留資格更新時には、勤務実績や収入が重視されるため、就労継続の証拠を残しておくことが重要です。























