【疑問に答えます】軍人との国際結婚と国籍・戸籍

2025-11-17

日本には、アメリカ軍の基地が多く点在しています。その結果、軍人と国際結婚する日本人も少なくありません。ここでは、軍人との結婚の手続きと、結婚後の国籍・戸籍についてご説明します。

軍人との婚姻は、日米地位協定(SOFA)の枠組みに基づき、通常の国際結婚よりも確認事項が多い点が特徴です。特に、基地内での承認手続きは軍の規律維持を目的としており、結婚後の生活の安定性やトラブル防止が重視されます。そのため、米軍側の承認が得られない場合、日本側で婚姻届を提出しても生活面で不利益が生じる可能性がある点に注意が必要です。

アメリカ軍関係者との婚姻は、国際結婚の中でも特殊な位置づけにあります。軍の規律や基地の法制度(SOFA:日米地位協定)に基づいた独自の承認手続きが存在し、結婚後の居住・ビザ・扶養手続きにも影響します。

婚姻手続きの前に

日本に在留するアメリカ軍人と日本人が結婚する場合には、非軍人と結婚する際の手続きとは異なります。

先ず、軍人側の手続きが必要です。それは、結婚するアメリカ軍人が、軍側に許可を得るというものですが、その前提として、基地内で催される「マリッジセミナー」へ参加しなければなりません。

マリッジセミナーでは、結婚後の扶養制度・住宅制度・軍人家族としての生活ルールなど、軍固有の規律や運用が詳しく説明されます。内容は基地や所属部隊によって細かく異なる場合があり、受講証明は結婚承認の必須書類です。紛失すると再発行に時間を要するため、書類管理は慎重に行う必要があります。

参加するには、事前に「 Fleet & Family Support Center (FFSC) 」へ電話をして、予約を取ります。なお、参加の義務があるのは、軍人と結婚する日本人ですが、今後の結婚生活のために、軍人と一緒に参加する場合がほとんどです。この「マリッジセミナー」を受講すると、最後に「参加証明書」が交付されます。

必要書類の提出

次に、アメリカ軍側の許可を得る必要があります。以下の書類を基地内のリーガルオフィスに提出します。

・Authorization to Marry(マリッジセミナー参加時に交付)

・マリッジセミナーの「参加証明書」

 ・2人の国籍を証明するもの(パスポートまたは出生証明書)

 ・2人の健康診断書(6か月以内に発行されたもの)

・Statement acknowledging possible ineligibility for nonquota immigration visa

(マリッジセミナー参加時に交付)

 ・婚姻の解消を証明する離婚証明書または死亡証明書(過去に前婚歴がある場合)

 ・戸籍謄本とその英訳(日本国籍を持つ場合)

・両親または後見人の同意書(未成年の場合)

以上の書類に不備がなければ、リーガルオフィスから「Affidavit of Competency to Marry(婚姻要件具備証明書)」が交付されます。

日本の役所での手続きと国籍

その後、住所地か本籍地の市区町村役場に、次の書類を提出します。なお、英語で書かれている書類には、日本語訳の書類を添付する必要があります。

・婚姻届(全て日本語で記入、不明な点があれば事前に役所で確認)

・2人の本人確認書類(国籍を証明できるもの)

・「Affidavit of Competency to Marry(婚姻要件具備証明書)」

・戸籍謄本(日本国籍を持つ方のみ、ただし本籍地で入籍する場合は不要)

 ・婚姻の解消を証明する離婚証明書または死亡証明書(過去に前婚歴がある場合)

 ・両親または後見人の同意書(未成年の場合)

なお、日本人がアメリカ軍人と結婚したからと言って、国籍が変わる訳ではありません。また逆に、アメリカ軍人も日本人と結婚しても国籍はそのままです。

但し、日本人が外国人と結婚した場合であっても、外国人の戸籍は作られませんが、配偶者である日本人の戸籍には、配偶者である外国人(氏名、生年月日、国籍)と婚姻した事実が記載されます。

婚姻後の生活では、基地住宅の利用、医療制度(TRICARE)、扶養手続きなど、軍独自の制度を利用する場面が多くなります。特に、転勤の可能性が高い軍人との結婚では、将来的に海外居住となる可能性もあるため、事前に移動に伴うビザ・保険・生活費の扱いを把握しておくことが重要です。

また、外国人と結婚しても戸籍上の日本人の氏は変わりません。しかし、外国人配偶者の氏に変更したい場合は、結婚した日から6か月以内に、「氏の変更の届出」をする必要があります。

まとめ

通常の国際結婚とは異なり、軍人との結婚には、先ず軍側の許可が必要です。その後は、一般的な国際結婚と同じく、住所地または本籍地の役所の必要書類を提出します。また、国際結婚によってお互いの国籍は変わりませんが、日本人の戸籍には、国際結婚した旨が記載されます。

結婚後にアメリカへ移住する場合は、在日米国大使館やUSCISでの配偶者ビザ(CR1/IR1)の取得が別途必要です。軍人配偶者の場合、手続きが簡略化されるケースもありますが、早めの情報収集と専門家への相談が安心です。


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